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『バッド・キッズ 隠秘之罪』完走。同じ原作を持つ日本の『ゴールドボーイ』と、シチュエーションは一緒だが、展開も結末もまるで違う。すごい。サム・ライミ版『スパイダーマン』と『アメイジング・スパイダーマン』ぐらい違う。『ゴールドボーイ』未見の妻に、色々説明しながら観る気満々だったのに、途中からそのアドバンテージもなくなり、ほえ〜とか声出てた。12話分の味わいがあり、これはこれで良い。逆に『ゴールドボーイ』の「深みを捨てて、オモシロに振り切る潔さ」も、改めて感じた。両方アリ。


アンドリュー・カウフマン『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件/奇妙という名の五人兄妹』読了した。ブラックなおとぎ話掌編『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』も良いが、『奇妙という名の五人兄妹』の素晴らしさに息を呑んだ。これ、誇張なしに、マジで。家族が「呪福」と呼ぶ特殊能力を持つ五人兄妹が、死にゆく祖母にその「呪福」を解いてもらう物語。例えば「人を許してしまう」能力を持つアンジーや、「道に迷うことが出来ない」能力を持つルーシーなど、一見役に立ちそうなその能力が、実は足かせになっている、ということを信じられるか信じられないか。五人の中でも微妙に意見が食い違い、旅は一筋縄ではいかない。

五人兄妹の元を訪れる主人公・アンジーの身には次から次へとおかしなことが起こり、『リトル・ミス・サンシャイン』のような風情の旅が、矢継ぎ早に不意打ちの突拍子もない展開を見せ、頭をぶん殴られたような気分になってくる。その突拍子もなさは、アリ・アスター『ポーはおそれている』的とも言えるかも。すごく映画的で、「映える」物語なので、どこかで映画化してくれねえかな。その際はぜひ、アンジーにイモージェン・プーツを!

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