ルネ・クレマン全然合わないのかも。
久しぶりに妻が帰ってきたので、嬉々として不在中に一番評判の良かったカジキマグロのソテーを作る。大変美味く出来た。
今のチームになって、初めてペアプロにトライしてみる。自分でホストしたことがなかったので不安だったんだが、すごく楽しく終われてよかった。みんなで和気藹々とコードを書けばよいところを、何故かゾーンに入ってしまい、無言orブツブツ独り言言いながら、超高速で実装してしまいちょい反省。
金曜日、一週間の疲れを引きずったむすこと、近所のつけ麺屋で食事を済ませた後、ルネ・クレマン『パリは霧にぬれて』を観る。タイトル通り、濃い霧に包まれたパリで、貨物船に揺られるフェイ・ダナウェイを捉えた冒頭のショットの完璧さに、思わず唸り、ここで映画が終わっても良いとすら思う。自分の子ども たちが誘拐されてしまう未来を暗示する不吉なシーンでは、灰色の街、灰色の階段を黄色のフラフープが落ちていく。わかりやすく黄色がアクセントとして効いていて、めまいがするほど良い。
しかしながら、この謎めいた誘拐事件を捉えた物語は、後半、わかりやすく安っぽさを露呈して大失速していく。文字通り「組織(Organization)」と呼ばれる存在が明らかになっていく中、この「組織」の計画があまりに杜撰すぎるのである。ただただ、段取りが悪かったり、頭が悪かったりで、ぐずぐずと自爆していく「組織」を見て、なんか苦笑するしかなかった。全盛期のフェイ・ダナウェイがハッとするぐらい美しいのだが、皮肉なことに「組織」の間抜けさを強調するだけになってしまった。とにかく、冒頭だけ、観てみてください。予告でも雰囲気は味わえます。