下高井戸シネマで『夜の外側』『トレンケ・ラウケン』と合計11時間強の映画館納めしてから、原村へ。部屋が綺麗になっていてびっくり。
年末年始の機会を利用して、読書。三島由紀夫『金閣寺』も遂に読み終わった。堂々たる傑作。人生であと何度か読み返すことになるだろう。
M・W・クレイヴン『ボタニストの殺人』上下巻、面白すぎて一気に読み切ってしまう。過去作以上に、ワシントン・ポーとティリー・ブラッドショーを中心とする登場人物が生き生きと描かれていてたまらない。今回は、謎の妖艶さを湛えたポーの数少ない友人である病理解剖医エステル・ドイルが窮地に陥るため、ポーがいつも以上に頑張る。同時に、「ボタニスト」と呼ばれる殺人犯による予告殺人が行われているため、都合2つの事件同時に取り組まなければいけないポーは、いつも以上に頑張る。結果、移動距離が以上に長くなる…。
上下巻に 渡る長尺の物語ではあるが、一章一章が短く、クリフハングしていくので、興味が持続して止め時が見つからない。いつも以上のスピードで読み切ってしまった。いつも以上尽くしの新作。
昨日は家で『・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・』を観てから、友人宅へ。『パスト・ライブス』を流しながら、この作品がすげえ嫌いな人と、割と好きな人と、全然興味ない人がわいわいやりながらたこ焼きを食べる会にむすこを連れて参加。嫌いな人はすごい勢いで悪口を言い、俺を含む割と好きな人はにこにことそれを眺め、興味ない人はたこ焼きを焼いた。俺は二度目の視聴で、より好きになったかも。確実に言えるのは、この作品について一番熱量があったのは「すげえ嫌いな人」で、それって作品を心底楽しんでるってことだよなー、と。良い会だった。帰りがけに『ヘレディタリー』を流して、むすこにトラウマを植え付ける。徒歩で帰宅。
今日も友達が来て、今年のげんき映画総括をするつもりだったが、一人体調不良で他はみんな昨日も集まったメンツだったのでリスケに。下高井戸シネマにアレクサンダー・ペイン『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』を観にいく。
今年のベスト候補に挙げる人もたくさんいたので、途中までは「うーーん、ベスト、というほどでもないなあ…」という気持ちで観ていたのだが、2時間超、重めの有効打が続くような雰囲気で最後にはノックアウト。まさにポール・ジアマッティ映画ではあるのだが、他のキャストも総じて良い。名作『いまを生きる』の系譜にある教育映画にして、コメディでシュガーコーティングしてあるので、その背後にあるとてつもない重さに気が付かない。いつの間にか、主要キャスト三人の境遇に深く心を寄せてしまっている。おかげで何の変哲もない「チェリー・ジュビリー」のエピソードで、三人が駐車場にある車のボンネットでアイスを燃やすシーンに、何故か涙してしまい、それが何故だったのかを考えている。