Hiphopヒップホップ


  • 今年の中盤、この映画が好き過ぎてとてもマズいことになった。

    タランティーノの新作だ!と飛びつくような熱心なファンでもないし(『パルプフィクション』観たよ、今年初めて!面白かった!)、そもそもこれはタランティーノ作品でもなく、監督は単にカンフー映画撮りたかっただけのヒップホップスター・RZA。ウータンフリークでもない俺にとって、その時点で引きがゼロ。そんな人が成り行きで観に行き、結果三回も映画館に通うことになるわけだから、映画ってわからない。

    往年のカンフー映画にマッドマックス足して10掛けたような過剰な世界観が、ウータンの名曲に乗って幕を開ける。RZA演じる村一番の武器職人は、街のワル共に両腕を切られ、復讐心をフツフツと煮えたぎらせる。一方、村ではそのワル共が勢力争いの末にボスを暗殺、その息子は命を狙われる。幾重にも重なった復讐譚がこの物語の基盤。多少の粗は一切気にせず展開していく物語のスピード感、それでいて破綻しない絶妙なバランス感も、この映画の魅力だ(これは、脚本に関わったイーライ・ロスのイイ仕事かも)。

    愛さずにはいられない世界観(絶対行きたくねえけど)。特に、監督自身が演じた鉄の拳を持つRZAの「虚無」な表情、映画史上稀に見るエロさを爆発させたラッセル・クロウ、キルビルよりかっこよかったルーシー・リューなど役者の魅力が活きていたキャラクターや、見た人みんな忘れられないだろう双飛(無駄な動きが多いがちょーかっこいい美形夫婦)、鉄の拳を持つ男・RZAのライバルとなる鉄の身体を持つ男・金剛といった「俺の考えた最強のカンフー映画」感満点のキャラクター、他にも売春宿の過剰に煌びやかな感じとか、観た人なら分かるブラックウィドウ、悪役たち、村の孤児たちなど、愛が溢れてるが故にこちらも負けじと愛したくなる世界が、物語に豊かな色彩を与える。やっぱ、創作ってマーケティングとかバジェットとかじゃない、意欲があれば何にも勝るんだということを信じさせてくれる熱量が、この世界を産み落としたんだと思う!

    俺の好きなあいつらが、有無を言わさぬスピード感で敵たちをぶちのめしてくれればそれでもう言うことはないはずなんだけど、細かいところもちゃんと気が利いててるのが、意外と気が小さくて良いヤツなのかもRZA。俺が好きなシーンは、ゼン・イーが新妻を置いて戦地に赴くところで、ネクタイ締め直す感じで仕込みナイフをシャコン!ってさせる爆笑シーンなんだけど、そういう細かい、場合によってはどーでもいいディティールの積み重ねで、荒唐無稽にドライブがかかるのだから見逃せない。他にも音の使い方、例えば金剛が胸筋をピクリとさせるたびに鳴るドーンという効果音や、双飛妻が敵の胸板を駆ける時に鳴る必要以上に激しい効果音など、「それ、よく考えたら、景気いい音足してるだけじゃねえか」と思うんだけど、脳味噌カラにして鑑賞してる時には全く気づかず歓声あげてる。映画と音のマジックで作り出す甘美な嘘を堪能できるという意味で、やはりこれも気の利いた作りだなーと感心してしまう。

    リアリティラインの絶妙な設定、つまり「荒唐無稽でかっこイイっしょ!」に振り切ったおかげで、数ある残虐描写も笑えるものになっていると思うし、色々すったもんだでクライマックス、あの二人が遂に同じステージに立つその瞬間の、音楽、演出、舞台、役者、すべてがギュッと集中していくゾクゾク感は、荒唐無稽では語りきれないサンピンスペシャルなものがあった。舐めてるとぶっ飛ばされる快作で、俺はこれを2013年に観た新作映画の三位にランクインさせました。オススメ。

    DVDアイアン・フィスト [DVD]ジェネオン・ユニバーサル

    mcatm2013-12-29 03:52

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  • たまらなかった。このiphoneの音楽は「出オチ」に終わってないところがすばらしいね。ワンアイデア勝負じゃなくて最後まできいて楽しく出来上がってる。

    ↓で、これ思い出した(1:07ごろから)

    本当は一番やりたいのってこういうことなんだよな。難しいんだけどさ。

    labo2013-04-12 23:13

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  • ぜんぜん知らなかったんだけど。kero one関係の方?たまたま今関連動画で知った。こういうのがあるからヒップホップ好きなんだよ!こんなファニーなルックスでど真ん中でかっこいいものを発信できる。まあジャンル問わずそうだけど他よりハードル低い気がする。

    いやいや、ただただいい曲。

    Sam Ock x Kero One - Pieces (Sex Slavery - Gang Violence)

    これか!

    barksニュース「韓国系アメリカ人、サム・オックが熱い」

    BARKS韓国系アメリカ人、サム・オックが熱い | BARKSアメリカ・メリーランド州在住の21歳の大学生サム・オックが熱い。12月7日にリリースされた1stアルバム『Simple Steps』に注目頂きたい。◆「Roll…

    labo2012-01-10 20:49

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  • このPV!「口からラップが溢れてどうしようもない」風のたたずまいが良い。プレミアはいまだにMPC60Ⅱとs950を使い続けてるらしい。どんな心境なのだろうか。

    labo2012-01-09 23:08

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  • DiS / DEAR BEEF

    2011-12-06 01:53

    「所謂サブカル的なワードぶっ込んで、スノッブを釣る」系の遊びにつき合う気が全然無く、未だに「モテキ」とか乗り切れていない私(多分…もしかしたら…全くそういうものとは異質なのかもしれませんし、本当の魅力は全く関係無いところにあるのかもしれませんが)。おそらく真正面からの目配せに弱いのだと思いますが、逆に全く明後日の方向に向かって全力で目配せしていると、その目線の先にあるものを確かめたくなるのが人情。

    「アイドルグループにRAU DEFをディスらせる」という、並の気違いからはひっくり返っても出てこない話題作りに、目玉が飛び出る程びっくりしたのが今回のBiS(の変名「DiS」)によるビデオ。初っ端から、テリヤキバーガーの並ぶスタジオという既視感溢れる風景に、地下アイドル煽り、SEEDAの物真似、しゃぶれジミー、やってんもん…と、まあこれこそすっげーでっかい釣り針なんだけど、その釣果は全く期待出来ないさすがのBiSクオリティ!

    ちなみに丁寧に踏みまくってるし、プー・ルイさんのラップも結構上手い。やっぱこういうところでも、楽曲のクオリティは担保するという安心の作りにはなっております。まあ、一度観てみて損は無いと思う!(賛否まっぷたつに分かれるのは想定内)

    ※ちなみにザックリと元ネタ

    http://www.youtube.com/watch?v=P…

    勿論ベースはこれ。SEEDAとOKIによるテリヤキボーイズへのDiSソング。

    http://www.youtube.com/watch?v=n…

    RAU DEF vs ZEEBRA。どっちもがんばれ。

    D.L. vs K-DUB先生。シャインベイビー!?

    mcatm2011-12-06 01:53

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  • これはいいよ!知らなかったよ。
    かっこよく、かっこわるく、そして憎めない。

    なにしろラップスタイルとライムの内容とPVがドンピシャ。短い間隔で挟み込まれる「いつもそう」のロゴデザインを「笑っていいとも」から貰ってるところがこの世界観を見事に表している。あーこの人たちいつも昼起きて、いいともかかってるんだろうなと。

    ソウルフルかつ清涼感のあるトラックも気持ちいいし、イントロとアウトロで両手を青空にかかげてるシーンが入ってるおかげで「これでいいのだ」感というか自己肯定というかあーこれはボンクラ人間をラップしたおもしろソングなだけじゃなく「結構まっとうな人生賛歌」なんだなーって気づかされる。

    こんな懐の深さがある人たちなのかSD JUNKSTA。ぜんぜん知らなかったのでメモメモ。

    labo2011-05-26 23:44

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  • さっき記事書いたのに消しちゃってもうあれだ。あれだけどやっぱりこの曲は最高なので紹介したい。

    タケイフミラが好きな方は是非。と思ったけど、タケイフミラが好きな方はもう絶対持ってるか。ポエトリーリーディングからヒップホップに声をかけて意気投合して一緒に釣り行く、みたいな音楽です。たぶん。

    トラックも彼が手がけてるんだけどソウルミュージックとサンプリングの醍醐味満載でぜったいにお得ですよ。前作「詩人の刻印」の方がともするとヒップホップ的サウンドかもしれないけど、こっちだって繊細でいいもんだよ。

    この曲の歌詞がまた、いいね!蝶々さ!

    http://www.youtube.com/watch?v=p…

    labo2011-05-13 00:04

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  • ラボが震災と子どもたちについてラップした曲「AC(あした、ちょっと)」のダウンロード販売を開始しました。よろしかったらぜひご購入ください。

    http://www.youtube.com/watch?v=l…

    【価格】
    「10円以上ならいくらでも、100円超えたらうれしいな」

    【決済方法】
    全国どっかの募金箱に上記の金額を投入すると、俺がなんとなく受信し、決済が完了します(現在特許出願中)。

    【ダウンロード方法】
    ダウンロードページの「再生ボタン」下にある【Free Download】をクリックすると、ダウンロード用にMP3その他のファイルに変換してくれるので(ちょっと時間かかるかな)【Download】表記が出たら右クリックで保存してください。「format」ってとこをいじると色々な形式でダウンロードできるみたい。※ダウンロードできないよって方はツイッターで@labofromjmqあてに言ってもらえればデータ送ります。

    【歌詞】
    AC(あした、ちょっと)

    rap:ラボ
    track:aiwa【beat from AIWASOUNDLIBRARY02(cassette)】
    photo:カリオカ

    思う 3.11 ひとつになろうなんていちいち 
    家ない人たち向けて俺はとても言えない 
    ラボ 家族 いる 手足 動く 明かり ある あまり ある 喜び
    ふざけろ地震津波ぜってー泣かす ペン取りアイワビーツ流す 
    これは何も解決しない一曲
    もちろん でも言いたいことtoo long ある 
    ラップ 下手 でも いう 子供たちについてどうしても
    北の土地 毎日があって 友達笑わす いきがって 
    好き勝手 給食トークショー 遠く瞬速とばし独走  
    飛び乗る公園古タイヤ まだ少しなんか眠たいや 
    空に綿菓子 ほらねまったなしでGO 自由時間
    ポッキーで十字架 短パン汚れたつうか黒 
    いつもの近道通学路 ショートカット あのちょうど角まがれば 
    いつもの家があった いつもの大地、空、顔、ただいま、
    ワン!、ニャー!おかえり チュー!
    という風景が普通に無数にあっただろうし
    いまになっておじさんが君に言えるのは
    わずかな言葉しかないけど、
    君たち
    あしたちょっと背が伸びて  あしたちょっと
    俺は昭和の校長のようにポジティブばかり冗長に言うよ 
    君にはある 80年ちかい有用な時間 
    15なれば心と体いい感じ融合 
    光放ち空とべるまるでUFO まだ牛歩みたくゆっくりでいいんだ 
    馬鹿みたいに大丈夫大丈夫 言うのがマイジョブ 
    でも最上部まで到達した水 いまだ染みる傷 
    書き換えられちゃった地図 相当いびつ 
    落ち着ける椅子 すわれるのいつ
    ブランブランノープランで揺れるブランコ反復 
    英美屋のしけたスナック満腹 三袋水風船三分で散布
    あいつんちの犬無計画に威嚇 2こ上やっぱ違う体格 
    格ゲーライバルと磨くDSの才覚 さっき拾った石まじで真四角 
    真面目に書くならば 
    こんな彼らのいつも というかあいつも 
    いつものあいつも あいつのいつも も全部が
    今はまだ信じられないようなこと 
    君らの前途洋々 今後前頭葉に刻まれてく約束どおりサクセスストーリー 
    手放し きっといい話 見守る遠く熊谷ラボのおじさん 
    気にかけてるよでももうお時間
    これだけは頭の片隅
    あしたちょっと背伸びて あしたちょっと字上手くなって
    あしたちょっと あしたちょっと風がヒューって吹く

    labo2011-04-28 00:53

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  • はじめに

    平成23年3月11日 東日本大震災が発生しました。大きな地震でした。ひどい津波が街を襲いました。福島第1原発では放射能漏れが生じ、いまだ収拾の見通しが立っていません。

    それから1か月以上の間、いろいろなことを考えました。思いました。感じました。立派なことや正しいと思われること、間違っていることや非常に卑近で醜いことなど、いろいろです。思うところあって震災と子どもたちをテーマにした『AC(あした、ちょっと)』という曲も作りました。

    http://www.youtube.com/watch?v=l…

    まずは聴いてみてください。よかったらご購入の検討もぜひ!

    ■ラボ「AC(あした、ちょっと)」のダウンロード販売を開始しました

    今でもそのほとんどがまとまらないまま増えていく一方ですが、ここで一旦まとめておこうと思います。どんなことを思ったのか、そして何で『AC(あした、ちょっと)』という曲を作るに至ったか。全部は書ききれないし、うまく効果的にまとめる自信もありませんが、書きますね。

    『AC』を作るに至った経緯

    まず、今回の震災については規模があまりにすごいこと、奥さんの実家(石巻市)が被災してるため当事者感が強いこと、原発の影響に怯えているもしくはそれに伴って今後生じるであろう経済・社会的沈滞ムードに不安を抱いていることから、自分は強いショックを受けています。
    もとより俺は社会的なメッセージを人に投げかけたりするタイプではないし、音楽でそれを表現しようとするものではありません。

    さらにいうとここまで酷い状況を前にして「音楽にできること」とか俺においては「ない」もしくは「当事者にとって邪魔極まりない」だろうと思うのです。いや、音楽家にとってその壁に挑む行為は尊いし、癒される人もいると思うし、お金が発生して義援金として活用されるのであれば素晴らしいことだと考えているのですが、たとえば気仙沼市の家族5人を失い高台から「おかあさん!」と叫ぶ少女に対し「pray for japan」も「ひとつになろう」も「東北ガンバロー」も、むなしく響くばかりだし「あなたたちのそれはいいから、私のお母さんが!」と自分がその立場に置かれたら大声で叫びたい気持ちになると思うのです。

    http://www.youtube.com/watch?v=C…

    じゃあなんで『AC(あした、ちょっと)』という曲を作ったのかというと、これがまたよく分かんないんです。これは応援ソングじゃないです。とてもじゃないけど東北の人たちには聞かせられない。まず奥さんに聞かせられない。石巻のご家族の命こそ無事でしたが、幼い頃から見慣れた風景が犯された様子はテレビで観るだけでもかなりショックだし、遠くの地でひとり平穏な暮らしをしている負い目を感じながら延々ニュースを見続ける人に対して、「曲、どう?」なんて感想を伺う勇気はないです。ましてや気仙沼の少女にこの音源を渡せるのか?そんなのできるわけない。

    でも、この件、特に被災地のこどもたちについてはもう黙ってられないのです。俺もいまや二児の親であって、細胞のほとんどが親になってしまっていて、ニュースで被災地の子どもが泣いてたり、笑ってたり、辛さにまだ気づいてなかったり、親がまだ見つからなかったりしているのを目にすると駄目。何か言ってあげたいし、言わずにはいられない。でも何がいえるのかって、何にもないんですよね。それでも行ったり来たり、脳内掲示板に書き込んだり消したりして辿り着いた言葉が、「あしたちょっと、君の背は伸びるだろう」なんです。もちろん弱いよ。正直ぐらんぐらんだよ。 でも思ったんだよ!まだ本人に向かっては言えない、でも言葉を飲み込むにはあまりに強い思い。「あしたちょっと、君の背は伸びるだろう」。もしかしたら今なおつらい状況にある誰かの腹を立てる結果になるかもしれない。でも、俺は、今、こう、思った。それをラップして、録音した。それが俺に必要でした。

    まったく正面口から入ったわけではないけどラップというものが大好きで、まさか自分で作れるとは思ってなかったけどいくつかの幸福に恵まれて、ラップ作品を作れるようになって15年。前述したようにそれが当事者からしたら「邪魔極まりない」ものだとしても、俺は「この思ったことについて、ラップして作品として記録しないと、もうこれから音楽なんて作れない」と思ったんです。できあがったものがどこに向いてて、誰に届いて、どんなもんだか皆目見当つかないけど、ぜったい作んなきゃなんない、じゃないと嘘だろうと思いつめて出来たのがこの一曲なのです。

    録音中のエピソード、余震、不安

    俺は俺なりに今回の地震についていろいろすわりのいい意味づけとかして理解しようとしたり、安心しようとしていたところがあったんです。この曲だってその一環かもしれない。だけど余震くるとそんなのどうでも良くなって、ただ恐ろしい。「今」と「これからの世界」が恐ろしい...なんて気持ちになりました。こりゃーラップで思いなんか録音してる場合じゃねえわ、つうかこりゃー被災地の人に届くわけねーわーと思いました。 地震苦手です。

    現地の人と我々の埋めがたいギャップについてはこういう文章がネットにあがってて、これはもう実に俺の読みたかった意見なんですよね。すごく理解できる。あまり書かれないことだけど、まずはここからだよなって。この差があるのは当然として、それで止めるんじゃなくて、じゃあ向こうの人には届けるべきタイミングじゃないにせよ(そもそも俺の曲なんて現状友達以上にはひろがらないんですけど)、言いたいことあるよね、それはなんだろうって。勝手に感動することなく、勝手に気持ちよくなることなく、勝手にまとめることなく、嘘をつかずに言いたいことだけを言おうと思ったんです。というかそれしかない。いい意味で余震がブラッシュアップしてくれました。かっこのいいこと言おうとすると余震が来る。この不安と恐れの中で言える言葉なのかそれは?って考えました。

    タイトルの由来とトラック、写真について

    タイトルを『AC』とした理由について。みんな大嫌いACのCMですが、俺は一度もそう思ったこと無くて、金子みすゞ のなんか毎回言葉の意味をしみじみ汲み取っちゃうし、特に「こどもに、あなたの手当てを。」編をはじめて見たときは相当トバされました!こんなに今流されるべき映像をテレビで見るとは思っていなかったので。

    http://www.youtube.com/watch?v=h…

    ほんとそうだよー今最高に適切なメッセージだよーACありがとう!と思ったんです。ちなみに初見時は3月12日深夜のテレ東シネ通(ゲスト高田純次、発言内容も通常営業)でした。番組のふざけた湯加減と懐かしい安心感、CMがくれたメッセージの力強さ(視野が広がり呼吸もできるようになった今、じゃないよ。3月12日だったんだよ。意味わかるでしょ?)は一生忘れられません。だから、俺もACを作ってみました。

    『AC(あした、ちょっと)』のトラックについて。ちょうど震災前後にaiwaくんと「カセット文通」をしてたんですね。「カセットテープに一曲録音したら相手に郵送、もう一人は逆の面に一曲録音して送り返す」という形式で。んで、彼が送ってくれたビートの中で一番気に入っていたのが、ポジティブに偏らず、メロウすぎず、ゆったりしていて、でも前に進んでいるこのトラック【beat from AIWASOUNDLIBRARY02(cassette)】。これにのせてラップしよう、タイミング的になにかの縁だと思うということで思い切って録音しました。 (彼から承諾を得る段階で「もっときちんとした音質データを送りたい」との申し出もあったんだけど、時間的制約もあるので「今」この曲を表に出したいんだ、その意味を優先したいんだと説明し、OKを頂きました。後日、完全版を作りたいと考えています)

    youtubeに掲載した写真は何度もここで話が出てくるマイメンカリオカさんの撮影した写真です。ラップする内容からいくと「津波被害の写真」「美しいポジティブ写真」「pray for japan的な写真」などいろいろアプローチがあったと思いますが、俺はカリオカさんのこの写真が一番良いと考えたのです。不自然に前向きだったり、美しかったり、子供向けだったり、悲惨すぎたり、「アートにできることは」的独りよがりに陥ってたりしているのは、避けたいと思っていて、この写真には自分がこの曲を作るにあたって表現しようとしたものが全部あると思ったからです。平温の中にあるシンプルな美しさと力強さと親しみやすさと、って言葉にするとなんかものものしすぎますね。要するに日常とポジティブ。そして嘘がない。 あとで話を聞いたら「通りかかった幼稚園だか保育園だかの壁の一部」を撮ったのだそうで、期せずして内容と繋がった気がします。「日の丸に見える」とか「青空飛んでる」のようにすぐには意味が見えない写真だと思うので一曲聴きながら見るのにいいとも思いました。聴き始めと聴き終わりでは違って見えると思います。

    発表形式?について

    録音が完了したものの、いったいどういう形で出そうか、そのやりとりをしているテープ作品の一曲で完結させようかとも悩んだのですが(、rippingyardで震災に際して考えたことなどをばーっと書きなぐって報告し、そこで発表することに決めました(「発表」とか50人くらいしか聴き手のいない俺の音楽にふさわしい言葉じゃない気もするけどさー)。rippingyardもまた俺にとっては大切な場所なので、やはり震災についてコメントを避けては今後記事なんて書けないと思ったのです。 だからドカッと書いてガバッと貼り付けています。ありがとう、rippingyard。

    曲に関してはただ公開するだけじゃあれなんで、ささやかもささやかではありますが、ダウンロード販売&全額寄付という形をとることにしました。 

    ■ラボ「AC(あした、ちょっと)」のダウンロード販売を開始しました

    最後に

    俺は自分のポッケにあるものを全部使うしかない(他人のポッケの中身を羨ましがっても仕方がないし、もう俺はそんな季節はとっくに過ぎたと思う)。んで、その上で自分にとって良いと思うことを行っていきたいですね。それって良く考えると「日常を普通に全力で営みましょう」ってのとまったく意味違わないんだよね。最近世の中の風潮が「火事場の馬鹿力」的なものを自分以外の人全員に期待している気がちょっとしてるんですけど、俺なんか凡人だから非常時とかここぞという時に力を最大限発揮できるわけなくって、一番MAXのラボになれるのは日常においてなのです。だからそこで頑張る。

    あとは誰でもできる確実な社会貢献、s.l.a.c.k.言うとこの「忘れてるなら彼女にキスしな」ですよ。つまり「こどもに、あなたの手当てを」です。「彼女」も「こども」も、大切なものに何でも置き換え可能だよ。まとまんないけど、それしかないし、それしかないよ!

    ラボ

    labo2011-04-28 00:39

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  • あなたの2010年をカタカナ9文字で表現してくださいって言われたら。俺は迷いなくこう叫びます、「サイタマノラッパー!」と。先に「SRサイタマノラッパー2」サントラについて書いちゃったんだけど、記念すべき第一作についても感想をまとめておけないと年が越せないだろうということで!書いてみますよ。

    はじめに

    結論から言うと、非常に発破かけられる作品。これ、繰り返しになっちゃうけど、映画「SRサイタマノラッパー」のサントラでありながら、スピンオフ的作品集でもある。劇中でラップしている曲もあるし、各キャラクターの持ち味を基に「もしも彼らが持ち曲を演ったら」という設定で作っちゃった曲もある。

    このアルバムを作り上げた人たちについて

    SR2と同じく、トラックはドラマ「モテキ」の音楽をやっていた岩崎太整氏が作ってる模様。そしてライムはヒップホップバンドP.O.P ORCHeSTRAの双子MCこと上鈴木伯周(TKD先輩)&上鈴木タカヒロ(兄)さんのペンによるもの。以前にSR2サントラ評を書いた時、そのいびつを良しとするサンプリング全開感が感じられたので「BBOYが音楽家になって作った」と思い込んでたんだけど、岩崎さんはきちんと音楽知識のある方のようです。P.O.P ORCHeSTRAメンバーとして楽曲制作&キーボードもやりつつ、cubesという大所帯生楽器ヒップホップバンドの主催者でした。逆にすごいなと思うのが、作曲者としての音楽知識やプレイヤー的感覚を持ちながら、それらを全く無視する方向のヒップホップセンスを保ってること。これ結構両立しなくて、普通手弾きトラックが多かったりするとどうしてもスムースになりすぎちゃう傾向があるんですよね、きちんと弾けるから。でも、「組み合わせ強引すぎて、のりしろ見えてるよ」っつうラフさにこそ醍醐味があるジャンルでヒップホップトラックの気持ちよさは「円空仏」の気持ちよさと同じなのです。ザックリ、ゴツゴツの彫り味が産むリズム。95年の音楽誌「GROOVE」vol.3(この号は俺のバイブル)でヤン富田が「和声の知識が弊害になって面白い音が選べなくなっちゃうようじゃこれからの時代きついかもしれない」と言っていたのを思い出した。確かブロッコRADIO(SRクルーによるポッドキャスト)で「SR1は演奏してる部分もある。SR2はほとんどサンプリング」と言っていたと思うので、聴き比べても面白いかもしれないっす。

    では、全曲感想です。例のごとく「ラボの好きなパンチライン」も選んでみました。

    1. 俺らSHO-GUNG

    言わずと知れたサイタマノラッパーのテーマ。サイタマノラッパーの象徴。これはトラックが秀逸。どう秀逸なのか。それはオルガン的音色とフレーズの絶妙ないなたさ、ベロシティ一定で単純なドラムループ、全体的に明るいのか暗いのか、突き抜けてるのかどん詰まりなのか、なんとも判断できないトラック、そしてあの切ない間奏のピアノパート。これがSHO-GUNGそのもの。サイタマのフクヤ市に漂っていた明るい閉塞感そのもの。映画SRサイタマノラッパーそのもの。どこまで計算してこれができたのか、ただ勢いで作って結果的に奇跡を呼び込んだのか。いやいやその両方なのか。分からないけど、こりゃーただごとじゃない。1作観ただけでは「よくできてんなー」くらいの感想だったけど、いよいよシリーズ化されていくにあたって、すべての出発点がこの曲だなんて出来すぎじゃないか?と思ってきました。ダサくもある。でもかっこいいと思い込んでいる。各人が自分のキャラクターを持ち寄り、迷いなくぶち込んでいる。すると、なぜか美しい瞬間すら生まれている。全体的にかわゆい。つうか、たまらなくいとおしい!それは日本語ラップの魅力そのもののでもある。なんか、すごいんだよ。色々重なっちゃうんだ。どこまで意図なのか分からないんだ。でも、魅力的な作品ってそういうものなんだ。また、劇場で聴きたいな。

    「ラボの好きなパンチライン」

    (IKKU)分かるかTOM MICを繋げ・・・

    ね?分かる人には分かる。言うこと無いでしょ、もう。

    2. 〜ある日の風景〜 skit

    ヒップホップアルバムによくある寸劇。俳優という人たちはイントネーションひとつで異常な情報量を言葉に詰め込んじゃうんだという基本を思い知らされた。すげー。

    「ラボの好きなパンチライン」

    (MIGHTY)「いつ、いく↑んすか」・・・

    声こもらせて「く」にアクセントを置くだけで、「いなたい」「むき出し」「後輩キャラ」なマイティらしさがすげー浮き上がってくる。すごい。

    3. MC MIGHTYの上京ラップ

    これはスネア!バスバス。バスバスいってる粗雑なスネアがたまらない。スネアが数種類あるとこもたまらない。フィルインのローテクな機材のボタンで打ち込んだ感じがたまらない。ビートがドラムループじゃなくって単音にばらしてパッドで叩きなおした感じがたまらない。エレキギターをディレイで飛ばした音もよく聴くあれで、フルートもエレピもあくまで「パーツ」として配置していてトラックがとてもヒップホップ濃度高め。それと、これはみんな知ってることなんであらためて言うこと無いかもしれないけど、MIGHTYラップうめえ! 

    「ラボの好きなパンチライン」 

    (MIGHTY)今日/サイタマから東京/ 埼京/線に乗って上京・・・

    「/」で区切ることによって「kyou」の韻が堅くなっていて、そういうテクニックがMIGHTYにすごく似合ってる

    4. MC TECのお魚ラップ 〜淡水魚編〜

    「知らない専門用語を当然のように発音されるフェチ」の俺としては全編パンチライン。あと劇中、TEC氏の独特のイントネーションが醸しだす異物感は半端なく、超クセになる。

    「ラボの好きなパンチライン」

    (TEC)尺モノ上等 カラツン上等(中略)全然悪くねえ I LOVE 県魚連・・・

    尺モノもカラツンも全然わかんないけど何かあるんだろうなーと膨らむ。それから、「全然悪くねえ」というマイナス方面から攻めるプラス表現がいかにも玄人用語っぽくてさー。「I LOVE 県魚連」は今後日本語ラップがいかに興隆を極めても二度と発音されることのないライムなのでもっと評価されるべき。

    5. ROUTE17

    冒頭のドライブシーンで流れるヘッドバンギングチューン。sho-gung全員でマイクリレーしてる珍しい一曲。車で爆音再生&メンバーがノリノリってヒップホップPVの定番で、見てるだけで上がらざるを得ないよね(地元感ふくめてCharizma & Peanut Butter Wolf - Red Light, Green Lightの43秒あたりを思い出した)。実は冒頭の17号の風景、俺が深谷シネマに行くたびに見る風景と全く一緒なんだ。これはサイタマ県北にすむ者の数少ない特権なんだ。みんなも引っ越すといいよ。あ、ライムなんだけど、映画のしょっぱなだからスルーしちゃうけど、かなり設定が細かくて良くできてるよ。

    「ラボの好きなパンチライン」

    (TOM)hey yo?調子はどう?なんて集まるイトーヨーカドー どこ行くロイホ?どこ行くガスト?・・・

    これはアハハハハと笑いながらも、リアル。寂れ地方激リアルシット。しかし、本人達に悲壮感は無い。そういうものだと思ってるから。というとこまでリアル。

    6. PA-RA-PPA

    1分のインストヒップホップ。アルバム中断トツでヒップホップかもしれない。全体的にJB’sサンプリングチックだけど、演奏してるのかなー(Cubes的でもあるから)。90年代前半のMC Lyte「Act Like You Know」あたりにすげー音圧低く収録されてそうだな。といえば分かる人は分かるかな。かっこ良い。

    7. 教育 金融 ブランニュー

    ミックスチャー系というぼんやりした表現が許されるのだろうか、そういうトラックに乗せて劇中とは違って自信満々のsho-gungが付け焼刃すぎる社会派ラップをかますユーモラスかつ痛快な一曲。「教育 金融 ブランニュー」ってタイトル自体がもう問題意識が大雑把過ぎて逆に違うものが浮き出ちゃう可笑しさを一発で表現してるもんね。こういうヒップホップ文法を踏まえた上でのクスっとくるライムを書かせたら実際TKD先輩の右に出る人はいないのでは?P.O.Pの音楽性を知る人なら分かると思うけど、上鈴木兄弟はヒップホップの正統を知りつつもあくまで客観視点を忘れない(さりげなく書いちゃったけど、ここ、サイタマノラッパーが生まれた最も重要なキモで。入江監督が声を掛けたヒップホップ/ラップ担当者が他ならぬ上鈴木兄弟であったということでどれほどのミラクルを呼び込んだか)。あと、IKKUもTOMもここではキレキレで、彼らが本当はこうありたいと考える「理想のsho-gungラップ像」が確認できるのも嬉しい。あれとの壮絶な対比が楽しめますよ。

    「ラボの好きなパンチライン」

    二酸化マンガン 燃えてるぜ!・・・

    教育委員会 かかってこい! 金融庁 かかってこい!の繰り返しの中にこういう変化球を入れてくるうまさがTKD先輩ならではだと思うのです。

    8. 李くんのラップthe13億

    目玉曲の一つ。MIGHTY実家のブロッコリー畑で働く中国人研修生、李くんという完全なるコメディーリリーフをまさかのフューチャリング。あまりに自由すぎる歌詞(「ラーメンマンとモンゴルマン ほんとはおんなじラーメンマン」…)と李くんこと杉山彦々氏のとぼけた味わいラップが笑いを誘うのだと思ってるかもしれないけど、この曲の最大の爆笑ポイントは「内容に比して不必要なほどトラックの完成度が高い」ところ。ピチカートファイブのアルバムのインタールードみてえな無駄な洗練度が可笑しすぎる。鍵盤もお洒落ならクラップのディレイもお洒落すぎる。ビートも中量級ながら極めてタイト。その上でぼんやりした中国イメージに基づくテケトーなヨタ話を延々続けるという間違いの無いふざけっぷり。それにしても俳優ってすげー!フリートーク部分も高田純次的無敵感があるし、何言っても面白い絶好調の日に書いたライムのよう。

    「ラボの好きなパンチライン」

    (李くん)ひとりっこ淋しいよ いいなマナカナふたりっこ・・・

    意味自体はまったく間違ってないけど、すべてが間違っているというか、マリオで言えば点滅してる感じ。こりゃもう止まんねえなという。

    9. MC TECのお魚ラップ 〜海水魚編〜

    TEC再び。専門用語フェチだから言うわけではないけど、例えば「高活性」とか「サンデーアングラー da ちょい投げFISHING」と言われたところでさっぱり分かんないが、すごく何かが伝わる。これを初心者目線まで降りてくれて歌詞を書いていたら、たぶん残らない。明治の知識人が幼少期に漢文を素読していたからこそ身についた教養とか感覚って、たぶんあるじゃん。あれと同じ(なのか?)。いや、最近なんでも噛み砕いて小骨とってすりおろして人肌にさましたペースト状のものばかり用意してくれる世間の風潮があって、いつもどうかと思ってるんだけど、「SRサイタマノラッパー」はその対極にある映画だと思ってるんですよ。RAW like sushi&漢文の素読のような映画。そこが魅力なんですよねーって話をしたかったのです。

    「ラボの好きなパンチライン」

    (TEC)朝まづめ 黒潮 時合最高・・・

    時合(じあい)とは魚がよく釣れる頃合、のことだそうです。以前ポッドキャストでTKD先輩のまじ人生相談に対し「地合を見て」って結構素晴らしいタイミングで名言を繰り出したのに、その場にいるみんなが全然流していたのが印象的でした。

    10. ROUTE17 "Master Taka-Aki"Mix

    ROUTE17再び。作詞作曲のRTR氏によるざらっとしたラップが追加されてる。全体的にMTR感があってそこが宅録経験者ならぐっと来る。

    「ラボの好きなパンチライン」

    (RTR)逆に上るスベリ台 アメリカまで大体8000マイル・・・

    SRの海外版タイトル「8000 miles」を読み込んでるけど、どっちが先なんだろうか。

    11. NEGI-DOROBOU

    アルバム中最も劇伴的なインスト作品。イントロのベースのこもった音色とけだるさが、FUKUYAの空気とどんづまり感を表していると勝手に理解しています。

    12. DJ TKD 辞世のラップ

     

    まぎれもない目玉曲であり、このサントラの存在意義。「辞世のラップ」では劇中一切披露されないTKD先輩のラップが聴けるだけでなく、クスクス担当だと思い込んでいた彼の真の苦悩や焦燥まで知ることになる。淡々と、しかし非常に巧みに韻を踏みつつ、病に追い詰められていく日々と心境を平易な言葉で表現していく。これこそヒップホップの醍醐味、喜び。思いのほか伝わってないんだけど、これなんだ。視点を変え、表現を変え、淡々と情景と想いを描写していく。それもきちんと韻を踏んで。意外な言葉の連なりが定期的に韻を生み、リズムを生み、ストーリーは淡々と紡がれていく。この快楽。きちんとヒップホップの魅力まで伝えながら、キャラ設定に命を吹き込み映画世界を拡張してしまうライムを考え抜いたTKD先輩こと上鈴木伯周氏に最敬礼。まじで。トラックは美しくも物悲しいピアノ主体なんだけど、中盤からの展開はアルバム中もっとも好きな2分かもしれない。トランペット?入ってからは「泣き」だけでは表現できない。まさに暖かい午後の陽が差し込む平日の病室のよう。おだやかであり悲しくもありうららか。その隣、犬はただただ昨日と変わらずワンワンと吠えるのでした。そうドラマは日常の傍らにひっそりと佇んでいるんだよなーっていう。

    「ラボの好きなパンチライン」

    (TKD先輩)ここサイタマの片隅ってなんなんだろうか まいた種が全然実ってない農家 県境に切り取られたシークエンス サンプリング刻み目指すHIPHOPキング・・・

    TKD先輩!まいた種はきちんと実ってたんだよ!県境に切り取られてなかったんだよ!って伝えたいよ

    13. MC IKKUのやったるぜラップ

    最後の曲。劇中流れる音楽の中で最もヒップホップだなと思ってたトラック。BBOYワナビー全開のIKKUがいきがって大股で移動するシーンでかかるトラックでもある。コンプばりばりの力強いビートにシンプルなウッドベースが絡んだループは、アナログが切られたら真っ先に二枚使いされそう。ここで繰り出されるラップは例のラストのあれなラップ。観た人なら誰もが忘れがたいあれなラップ。しかも、この録音では完全に吹っ切れた発声をしていて「IKKUはもうオドオドキョロキョロしないのだ」と分かる。彼はもうこのビートに合わせて無理に大股で歩くことはないだろう。その代わりこのビートを完全に自分のものとして悠々乗りこなし、笑いまで織り込みながら堂々ラッピンするまでになったのだ。千夏に聴かせたい…、なんて思いながら再生しているのは俺だけじゃないはず。考えすぎって人がいるかもしれないけど、「考えすぎができる魅力的な余白」って良い作品、愛すべき作品の条件だと思うのです。

    「ラボの好きなパンチライン」

    (IKKU)あそこと重複しているライムのすべて・・・

    でしょう、そりゃー

    まとめ

    SR2サントラ全曲紹介でも書いたとおりだけど、まず独特の世界観を持つ本作品を壊すことなく真正面から大股で踏み込んで更に作品世界を拡張しちゃったこのサントラはやっぱ勇気ある。特に「DJ TKD 辞世のラップ」は未聴か否かでSR1の奥行きが全く異なっちゃう白眉の出来。この曲で初めて提示されたTKD先輩像がまんまSR2で描かれているとこも興味深いところ。

    あともう一つ。映画史に残るサブカル残虐シーンこと「会議室ライブ」の撮影はなんでもクリスマスに敢行されたらしい。ということは、完成するかどうか分かんない状況で、公開してくれる劇場があるかも未定な状況で、あのシーンはクリスマスに撮影されてるわけですよ。大勢のエキストラは全員「家族で七面鳥」的シーンを代償にして。それがあって映画が出来た。それがあってみんなに届いた。続編まで出来た。その踏み込み具合やあっぱれじゃないっすか。俺は同じようなアクセルの踏み込みをこのサントラからも感じるんです。ライム執筆陣であるP.O.P ORCHeSTRA、作曲者岩崎大整氏、ラップを吹き込んだキャストたちの「どこまで届くかしんねーけど、全力で細部までやり切る」スタイル。「SR最高!」なんて多くの反響を耳にするずっと前、まだ誰も相手にしてくれない、映画自体どうなるのかも見えない中で、このサントラを作り上げたこと。やり切ったこと。これはちょっと、見事だと思うのです。

    SR3のサントラ全曲紹介を書ける日を待ち望みながら、思うところを並べてみました。イエー。

    labo2010-12-26 23:1517

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  • YouTube見始めた頃の随分古いネタだけど、やっぱ好き。

    これはヒップホップグループ「NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」のPVをどっかの暇を持て余した大学生が真似たという動画。特になんということもないありがちな経緯の動画だけど、なんともいとおしい!たぶん、彼らはヒップホップなんて今聴いてないだろうし、当時も聴いてなかったかも。ただ暇で暇で、地方で遊び場が無く、でも友達がいて、だから作っただけなのかもしれない。これ撮った一時期だけ仲良かったけど、卒業する頃には全然話さなくなっちゃった子たちもいるだろうし、いまやお互い音信不通かもしれない。

    しょっぱな「ガンバの冒険」に絶対出ていたDELI役の衝撃。おしっこを我慢しているのかという佇まい。ラップPV定番「車中でノリノリ」を撮影中に日がぬるーく暮れている感じの激リアルさはまじでドープ。何をやろうとしているかも良く分からず、でも同じ学部の知り合いなんで撮影に付き合った図書館の女の子のラップと全く無関係な動き。それでもカットしないゆるさと関係性。あと「みんなで揃って適当に頭振ればそれだけでかっこつくんだー」という新発見。ほっとできるスイケン。そして本作の魅力の一つ、ぼんやりモグモグマッカチンはいいヤツに決まってる。

    全体に漂うモラトリアム感が似たような環境にどっぷり浸かっていた自分はどうしたって憎めない。な!

    一応答え合わせ用ね。

    labo2010-12-20 23:162

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  • 早すぎたB-hack。TBSラジオ「宇多丸のウィークエンドシャッフル」のラップ歌謡特集でONAIRされ、あまりの中毒性に速攻で探しました。

    素人のコギャル3人組による企画物ラップシングル「ChoVeryBad(96年)」。痛そうなその成り立ちからは想像つかないクールなベースラインは「Naughty By Nature - Hip Hop Hooray」から大胆に拝借したもの。

    http://www.youtube.com/watch?v=f…

    その淡々とループされるモコモコベース上で展開されるコギャルたちのラップが案外拾い物で、サイタマノラッパー2を観た人ならB-hackのビヨンセとマミーを思い出すんじゃないだろうか。

    サビはさ、やっぱりきちんと企画モノ短冊CD的な無難な歌になってるんだけどさ、「超やりたいことやろうよー」に至ってもうなんか楽しそうだからいいやーって気持ちになる。

    最高にお気に入りの一曲です。

    labo2010-12-17 00:101

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  • これは色々思った。みんなも読んで思ってみて。

    1は俺と同じ時代のヒップホップが好きなんだろうと思う。そして真っ直ぐタイトルのまんま悲しく思ってる人なんだろう。できれば誤解を解きたいとか。

    しかし、それこそDQNがDQN的行動様式に則って作り上げたものがとんでもなく音楽的になっちゃったりするとこが、ヒップホップのたまらない魅力の一つであるのだから、後半にそんな意見がきちんと出てきたのでほっとした。彼は「HIPHOPがDQN音楽と思われる風潮」に対する反動が強いんだろうけど、そこをスポイルしちゃー悲しい。

    でもでも、まったく同じことを考えてた時期が俺にもありました。うん。

    HIPHOPがDQN音楽と思われる風潮が悲しい : はれぞう

    labo2010-12-01 23:142

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  • クスリだめゼッタイshit。これ好きなんだよなー。トラックも短めのループなだけなのに奥行きある。

    俺は結局T.A.K The Rhhhymeが好きなんだ。あとオアのラップ。

    http://www.youtube.com/watch?v=3…

    labo2010-11-06 23:00

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  • まずはここでお礼と報告をしなければいけないのに遅れてしまった。

    ラボ、SRサイタマノラッパー公式ブログ記者になりました。

    奥さんからDVDをプレゼントされたことから始まったラボとサイタマノラッパーの邂逅。

    「ラストに異議あり!」というつぶやきに反応してくれたMCATM。ここでの対談が理解を深めてくれた。

    そして深谷シネマでのSR2鑑賞と衝撃。あまりのショックにIKKUの前で感想ラップを敢行してしまった。

    更にその夜のキャスト・スタッフ・ファンの大宴会参加。下手したら映画以上の衝撃を受けた。この人ら、どうかしてる。

    こりゃ俺も全力だ、とrippingyardにSR2サントラ全曲解説を掲載。関係者含め思いのほかリアクションがあった。

    いつのまにかずーっとSRのことを考えるようになってしまい、おで、おで、何か関わりたい!と思ってたら、入江監督がブログ記者を数名公募するとのこと。

    中指がつるほどおもいっきし手を挙げたら、なんとここを読んでくれていたようで(・・・)、無事通過しました。

    だからこそ、ここで報告したかったんです。ありがとう。

    いま、SR公式ブログには一発目のラボとSRの出会いについての記事がアップされてます。そして今ちょうど、先日のふかや映画祭SR1&2連続上映のレポートを書き終えたところです。

    これからも公式ブログで書ききれない、ネタばれ系のSR記事をrippingyardで書いていきたいと思っていますので(いいのかな、でも年内に渾身のSR2スカイプ対談予定)よかったら読んでみて下さい。

    あと伝えておきたいこと。「おで、知り合いになったワーイ、SR最高に最高!」というふわふわした内容にだけはならないようにします。ご安心を。

    それから、今までどおりSR以外の「和もの動画」とか「HIPHOP動画」とかについてもガンガン書いていこうと思いますので今後ともよろしくお願いいたします。

    rippingyard誘ってくれてほんとありがとう、MCATM。

    映画「SR サイタマノラッパー」シリーズ公式ブログサイタマノラボ「SRとの出会い&意気込みラップです」 | 映画「SR サイタマノラッパー」シリーズ公式ブログ脚本・監督:入江悠日本映画に旋風を巻き起こし大ヒットした映画「SR サイタマノラッパー」シリーズ北関東3部作「SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」ここ…

    labo2010-10-28 22:233

    Thumb e642a75515f97b1a22328180344f120a
  • SRサイタマノラッパーと、グラスホッパーの人気アクションゲーム「NO MORE HEROES」の続編がコラボレートしてるよ、って感慨深く眺めていたら、当のコラボレートシングルが期間限定で配信されていたのでご紹介。

    知らなかったんですけど、このゲーム、音楽を飯田和敏さんのバンド「THE RIOT 怒りの10代」が担当してて、更にこのバンドのギタリストがMC IKKUと親戚の駒木根さんなんですね。コラボの話をtwitterで見たときは、ちょっと意外だったんですけど、こうしてみると意外と縁ある共作だったんですね。

    最近、「moon」の続編の話題が出て来たり、グラスホッパーに和田さん(牧場物語/王様物語)とラブデリックの木村さん(チュウリップ/moon)が参加したりと、なんか面白い流れになってきてます。

    お探しのページは見つかりません|GRASSHOPPER MANUFACTURE株式会社グラスホッパー・マニファクチュアの公式サイトです。…

    mcatm2010-10-17 15:132

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  • 枚数限定で発表されたS.L.A.C.K.の新譜からのPVがyoutubeに。この曲は、S.L.A.C.K.流ソウルのまたしても傑出した良曲だと思いますのでこの機会に是非。

    MusicSwes Swes CheapDOGEAR RECORDS

    後半はYAHIKOを迎えた新曲。限定アルバムが二枚続いて、まだここまで頻繁に新曲が発表されるのにも驚かされるが、続いても続いても次の展開への期待がきちんと膨らんでいく、そのクリエイティヴィティの底知れなさこそが一番怖い。「Swes Swes Cheap」は、「MY SPACE」以降の夏を改めて心地よく過ごす為のアイテムとして超有用でしたよ。何かのきっかけで手にした方は愛聴しようぜ!

    MusicTHURSDAYDOGEAR RECORDS

    http://www.youtube.com/watch?v=i…

    mcatm2010-09-29 02:12

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  • 勢いがあるうちにじゃんじゃん行こうか。今回は「SRサイタマノラッパー2」サントラについて全曲私見で解説。結論から言うとすげーいい。サントラとしても、ヒップホップアルバムとしても、女子ラップ作品としても非常に立派な仕事をされたなーと思う。難しいバランスをよくぞここまで。

    まずはこのアルバムを作り上げた人たちについて。

    ミドルスクール感あふれるトラックはドラマ「モテキ」の音楽担当もやっている岩崎太整氏が作っている。
    んで、ラップ指導及び全ライムを書いているのがヒップホップバンドPOP ORCHeSTRAの双子MCこと上鈴木伯周(TKD先輩)&上鈴木タカヒロ(兄)さんのお二人。

    ラッパーは劇中のグループ「B-hack」の5人。みんな女優さんだよ。
    アユム(山田真歩)・・・群馬のこんにゃく屋の一人娘、という設定(以下略)
    ミッツー(安藤サクラ)・・・老舗旅館の娘。母の借金返済に追われる。
    マミー(桜井ふみ)・・・ソープ嬢ラッパー。彼氏は経営者の中国人リュウ君。
    ビヨンセ(増田久美子)・・・市議会議員を父に持つプチセレブ。
    クドー(加藤真弓)・・・硬派な走り屋ラッパー。
    以上が簡単な紹介。

    サントラだけど、CD単体で作品でもある。そして、危険な試みも。

    この「SRサイタマノラッパー2」オリジナルサウンドトラックは「SR1」同様、基本的にそれぞれのキャラがそれぞれの役柄をそのまま反映して作ったスピンオフ的作品集なんですよ(劇中ではほとんどインストトラックとして使用されている)。
    それってともすると、緻密な計算の元に築きあげた劇中の人物像を、もっと言うとキャストスタッフ全員が汗水たらして完成させた映画そのものを簡単にぶち壊しかねない危険な試みでもあるわけです。だって、「うーん、この言葉じゃなかなかいい韻踏めないから、こっちにしちゃうかー」なんてよくあるライム創作上の便宜一つで「え、この子こんなこと言う子だったんだー。幻滅。それじゃあのシーンあれであれだったんじゃないの!?」と思わせちゃうんですよ。怖い怖い。
    俺がすっげーなーと思うのは、そこを敢えて大股で踏み込んで、妥協せずに意味を通してきちんと韻を踏み(散文的な表現です、と逃げを打たない偉さはライムを書いたことのある人ならみんな分かる)、劇中の人物像をより愛しさを感じさせるほどに深め、魅力的なヒップホップ作品としても成立させていることです。これは上鈴木兄弟の立派な功績だと思うのです。

    SR2のトラックについて

    岩崎氏の経歴を知らない上で書いてみますが、「音楽家がヒップホップをやってみた」じゃなくて「ヒップホッパーが音楽家になって作った」感じだなあという印象を受けました。すごく一般的なイメージなんですが、前者aka「取り入れ系」にありがちなのがパラッパラッパー的な感じ(あれも好きなんですが)で、それっぽいループ主体のクリアなトラックにブレイクビーツやスクラッチなどヒップホップ要素を足していくあれ。でも本作は明らかに「うん、ヒップホップ好きなんですね」って思えるあれがある。
    たとえば「蒟蒻Daddy」の頭からお尻までずっと鳴ってるオルガンみたいな音階未満のノイズ音。「WALK "GUN-MA" WAY」における飛びネタとしての鳥?の鳴き声風サウンド。こういうので曲の雰囲気を決めるのってヒップホップが最初にある人ならではじゃないかなーと思う。
    んで、全体的な印象はニュースクールっていうよりはミドルスクールって感じというか、87年的サンプリングコラージュというか、サンプリングタイム短かった時代のゴチャゴチャサンプルトラックでしっかり低音、ラティーノな金物鳴り鳴り。勢いのあるトラックはDEVLARGE風、内省的なトラックはMitsu the Beats風?つまるとこ、いい。

    そして、女子ラップというものについて

    実は海の向こうでも非常に珍しい存在で、いても大抵「男勝り」キャラばかりなんだけど、日本の女子ラップ史を紐解くと(いや男女関係なくだけど)ギミック的な、カワユイ飛び道具的な遊びとしてのラップがスタート地点だったりするんですよ。「山田邦子のかわい子ぶりっ子 バスガイド篇」が有名かな(勿論これがラップかどうかという議論はあるけど、シック的ディスコトラックを弾き直して喋るという点で「ラッパーズディライト」を髣髴とさせる)。これこれもそうだね。
    もう一つの路線としてあるのがサブカル枠。古くはメジャーフォースのThe Orchids(最高!)で、高木完の完成度高すぎトラック上でモデルとスタイリストの女の子二人にへたうまラップさせるという好事家ならたまらないもの。最近ならハルカリか。そして、ようやく正統派BGIRL路線も「男子ツアー参戦&即優勝」的痛快さのある純ラッパーco-machiの登場により確立されつつあるのかな。まあそんなとこ。
    で、SR2サントラ聴いてすごい良いなーと思ったのは、アユムとミッツーがちょうどこのどこにも属していないラッパーなんですよ。ギミックとしてのカワユイ女子ラップ以上で、サブカル?BGIRL未満な感じ(ちなみにマミーは前者、ビヨンセ&クドーは後者に属すると思っていて、そのジャンル特有のカタルシスをガンガンくれる)。語弊を恐れずに言えば、「普通の女の子のラップ」。そんな単純なもんじゃないけど。もっともっと録音されるべき層のラップ。普通の女の子が表現方法としてラップを選ぶことってまだまだ抵抗あるのかもしれないけど、そこにはBBOYにもBGIRLにも決して成し得ないラップがうまれるはずで、彼女達がもっと日記つけるみたいにラップをしてくれればいいな。そして、俺はそれを読みたい。
    ちょっとずれたけど、そんな点から女子ラップアルバムとしてもSR2サントラは貴重だと思う。

    曲紹介の前に、5人のラッパーとしての印象。みんなも同じこと思った?

    アユム・・・とにかく、恐ろしく、声が良い。音の成分の問題?それだけでラッパーとして稀有な魅力もってる。ほんと魅力的でいつまでも聴いていたい。女優としてもこの声は宝だと思う。
    ミッツー・・・いい感じでゆるいラップでキャラ立ってる。どんなに忙しくても完全にライムを覚えてきた、とはTKD先輩談。
    マミー・・・これぞ定番「女子ラップ」。5人組に絶対1人必要なカワユイ枠で、飛び道具担当か
    ビヨンセ・・・河原バトルでの超キレキレな好戦的なラップに惚れ惚れ。声質がバトル向き?
    クドー・・・俺の周囲では「クドー=前世がラッパー」説が浮上。なんでできるんだろ。それほどかっこよい。

    では、全曲感想。「ラボの好きなパンチライン」も選んでみました。

    (注意!そこはかとないネタバレはあるかもしれません。)

    1. ワック♪ワック♪B-hack(ラップ:B-hackの5人)

    みんなが見終わった後、3日は脳内再生してしまう「B-hack」5人揃い踏みな主題歌。SR2観る前にYouTubeで聴いて「あれ?シュッシュッシュッってどういうことなん?」と思ったけど、観終わればなるほど、学園祭仕様なのね(ミッツーの過剰演技に笑い、クドーの美少女ぶりに・・・)。トラックは「ultimate breaks & beats」に収録されてそうな(探したけど見つかんなかった)ホーンがあがるハッピーなダンスクラッシック調なもので、間違いない。自己紹介ライムでマイクリレーしてるんだけど、5人5様のキャラに即した語彙でそれをやっている。初めてコージー冨田のタモリのものまね(アドリブでかぼちゃを渡され「裏ごしすると、うまいんだよこれ」とやったんだ。声だけじゃなく語彙のものまねを!)を観た時のような「おー」がある。

    「ラボの好きなパンチライン」 

    (クドー)ランエボ ハチロク Zにシビック クラッチ並みに繋ぐのリリック・・・

    意味云々よりひたすら語呂がきもちいい!

    2. WALK "GUN-MA" WAY(ラップ:IKKU & TOM)

    で、衝撃!IKKUとTOMが群馬でTKD先輩の伝説のライブ会場を探す設定の2MCものなんだけど、ラップうまくなってる!!!!!!!IKKUなんか堂々と山田マンみたいなフロウ。トラックもウッドベースが「耳ヲ貸スベキ」みたいで90年代後半国産ヒップホップの気持ちよさに満ちてる。二人の弥次喜多かけあいラップににんまり。
    人の言葉を借りるとSR1って4コマ漫画の3コマ目で終わってる映画なんだけど、彼らSHO-GUNの4コマ目はSR2にデカデカと描かれてるんだよな!というかB-hackの4コマ目にめり込んでたというか、ね。この曲は全体的にユーモラスに誇張した内容になってるけど、SR1を観た人なら、このサビに泣いちゃうよね。

    「ラボの好きなパンチライン」 

    (TOM)分かったよIKKU 俺も群馬に行く 忘れかけた魂 いま探す旅路・・・

    なんか段々声が小さくなってるのがTOMらしくてたまらなく好き

    3. ディスティニーズ峠(ラップ:ビヨンセ&クドー)

    一番好きって人も多いのでは。知人女子ことMON画伯曰く「出勤前に聴いてテンションあげる」問答無用の重量級ヒップホップトラック。なんかめちゃくちゃ重いデコトラが高速で走ってるみたいな、それこそ「とめられねっーぞー」なすっごいDEVLARGEっぽいグルーブ。25歳組ことビヨンセ&クドーはどちらも正統派BGIRL的ラップスタイルなのでヒップホップトラックと相性が良い。「とめられねっーぞー」は発明。聴いてて気持ちいい。そして、出しぬけにCメロでR&Bトラックに切り替わって歌、嶋野百恵っぺえ!ドラムも超90年代R&Bっぺえ!そして、二人はなんでこんなにラップうまいんだろう。うらやましい。ビヨンセは河原シーンばりに好戦的な声質で最高だし、クドーは本職の風格すらあって最高。

    「ラボの好きなパンチライン」

    (クドー)アタシがクドー on the 後輪駆動・・・

    もうこの一行でノックアウトされた。

    4. 蒟蒻Daddy(ラップ:アユム&アユム父)

    これもすごい成果。なんといってもアユム父こと岩松了氏が初ラップでまさかの飛距離。おじさんによるお遊び的企画モノラップならまだしも、こんなごりごりのトラック上(MCソラーみたい?)でがっつりラップしてる。こんにゃくについて。「独自の製法(セイホー)」だよ。ライム製作者にはほんと頭が下がる。さらにこの曲って、考えようによってはあのシーンを更に推し進めたあれでもあって、あれだ。アユムのとっての「ラップ音楽」が、アユム父にとっての「こんにゃく」。だからこそ父はこんにゃくについて自分なりの言葉を持っているわけで、それはまたラップするのにふさわしいトピックである。なんの話だっけ?難しい。。。しかし、アユムの声はここでも魅力的だ。女優さんってすげーな。

    「ラボの好きなパンチライン」 

    (アユム父)いい年こいてラップ音楽ばっかり追っかけてなんになる・・・

    劇中にも出てくる父の言葉「ラップ音楽」。父からすれば何も間違ってない。娘からすると何から指摘すればいいのか分からずとにかく気が遠くなる一言。これ。この断絶。これを一語で表現した入江監督はすごい。「ヨーヨーでしょ?」「チェケラッチョってか?」までは思いつくけど、「ラップ音楽」は思いつかない。余談ですが、うちの母はJリーグをいつまでも「カズ」と呼んでいます。

    5. interlude #1

    Yes It's Youのうふーん。スクラッチはサンプリングしてから叩いてるのかな。配達バイクとばすシーン?

    6. "The Message"from DJ TKD(ラップ:TKD先輩)

    TKD先輩の伝説ライブシーンで演ってた曲。難易度高い設定(例えるなら漫画家が「天才画家の描いた幻の傑作が見つかりました、これです!」ってコマを描かなくちゃいけないのと同じ)ながら、ヒップホップについて堂々ラップ。この曲聴いてとばされてるシーンのアユムの表情は忘れられない。最初に泣きそうになったシーンだ。

    「ラボの好きなパンチライン」 

    (TKD先輩)ブラックとかホワイト選ばされるイエロー 俺らで作る そう新しい色・・・

    これすごいこと一行で言ってる。

    7. B列車で行こう(ラップ:ミッツー)

    これも他にない。東京から帰省するミッツーの情景描写&心象風景ラップでサビは歌っちゃってる。ラッパーでもシンガーでもない女の子による巧みなライミングで進行していく不思議な一曲。トラックはなんていうんだろう、breakthroughっぽい?違う?上鈴木兄弟のお二人、相当なストーリーテラーだと思う。

    「ラボの好きなパンチライン」 

    (ミッツー)片田舎でも楽しかった でも今は違う 一駅ごとカウントダウン出戻り落ちた身分・・・

    高崎線沿線で暮らすUターン経験者が全員SAYギャフーン。甘酢的観点から。

    8. 男と女のLOVEラップ(ラップ:マミー&リュウ君)

    夫婦歌謡ならぬ夫婦ラップ。サビ歌も昭和にしてある。でも、ビットレート落とした「ヘイ!」がいい具合に入っててB濃度保っている。この曲、いいの知ってるんだけど、可笑しいの知ってるんだけど俺聴けないんだ。なぜなら本編でのマミー軽トララップ(屈指の名シーン)で号泣したから。マミーは、あの時遠く前の方を観ながらラップしてた。。。

    「ラボの好きなパンチライン」 

    (マミー)1本2本10本100本マミーとリュウ君で幸せkeep on!・・・

    その単位とkeep on!で韻踏むのってメーイニアックなライムフェチ向きでいいよね。

    9. interlude #2

    どのシーンだろう??わかんなかった!!

    10. 右往左往(ラップ:アユム)

    これは・・・・・・(ラストシーンでのアユムのラップが元になってるのかもしれないけど)アマチュアミュージシャンにとってなにも感じないのは無理っていう全編パンチラインの一曲。「なんで世の中で一番才能に恵まれているわけでもないのに音楽をやるの?」について語りきっていて無駄な言葉がない。叩きつけられるという意味で文字通りパンチラインだし、ちょっと説明できない。ラップをやっている人、というか何か物を作っている人たちはぜひ聴いてみて欲しい。「ミュージシャンとか そういう話ではなく」って。SR離れたところで、自分の中でとても大切な曲。

    「ラボの好きなパンチライン」 

    (アユム)今しかないのに暇しかないんです・・・

    耳にいたーーーーーーい!

    11. まずリスペクト(ラップ:B-hackの5人)

     

    ナフリスペクト(enough respect)をもじったタイトルと「とめどーなーく誉めあいます」のサビ歌詞で分かるかもしれませんが、ジャパニーズ女子グループシットです。そして女子特有の「とりあえず誉めとく」精神に基づくやりとりが、コント的ずれを生み続け、結局は笑いに繋がる高度な歌詞(SDP「後者」的でもある)を、アルバム屈指のヒップホップ濃度高めなビート上で繰り広げてる。ヒップホップ作品としてもきちんと機能していながら、ごきげんな企画物としても一級品でギャングスタブギー。

    「ラボの好きなパンチライン」 

    (マミー)日本人離れ!(時間おいて2回目言う)・・・

    誉めボギャブラリーの定番としてこれを多用している人いるよねークスッという。

    12. いつか♪きっと♪B-hack (アユム ver.)(ラップ:アユム)

    エンドロールで流れるアユムのレペゼン20代後半(!)バージョンの主題歌。俺は「右往左往」とこの曲のすべてが好きだ。こっちはSR2そのものの感動も直結してるから涙腺に来る。そして何度も言うけど、アユムの声、表現する力、ラッパーとは違うアプローチなんだけど、全部がこの歌詞にふさわしく、アユムが実在する女の子だよなって勘違いをしてしまう説得力がある。

    「ラボの好きなパンチライン」 

    (アユム)シュッシュッシュッ 遠く離れても シュッシュッシュッ 夢がつながるよ・・・

    シンプルだからこそ力があって、要するに涙ダーーーーッ。

    以上。SRサイタマノラッパー2サントラについて、ラボの感想でした。アユムはほんとアルバム作って欲しいなー。子どもの頃「おしんの小林綾子に農家のお婆ちゃんが米俵送りつけた」話を聞いてなんだそりゃって笑ってたけどさー、俺は今SHO-GUNにトラックを渡したいし、B-hackにラップうまいよ!って伝えたくなってる。この年になってミーハーになれるものに出会えたことがうれしい。おもしれーなーほんと。

    アルバムを買おうという気持ちになった方へ

    AMAZONよりブロッコレコードで通販したほうが特典(主題歌「ワック♪ワック♪B-hack」FUNKOT REMIX by 高野政所)付くし、TKD先輩が発送してくれるからいいと思うよ!

    BroccoRecords ブロッコレコード

    labo2010-08-03 22:0247

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  • まったく何から書けばいいのか分かりません。

    群馬の片田舎で曇った青春期を過ごし、HIPHOPが好きなことを「たぶん似合わないだろうから」秘密にしていたラボ。大学時代に初めて音楽を通して友人を得て、その中に混じってこっそりラップをたしなむようになり、仕事の関係で埼玉の地に移り住み、そこで平凡な家庭を築いているわけなのですが、そんな自分にとって埼玉県北でBBOYになりきれない男を描いた「SRサイタマノラッパー」、群馬のこんにゃく屋で働く女の子が人知れずラッパーを目指す「SRサイタマノラッパー2」は特別な作品なのです。

    だからこそ、このrippingyardでもこんなにいろいろ話しているわけなんです。

    そんな中、SR発祥の地、深谷シネマで「SR2」上映最終日にSRクルーが集結するらしいよの情報が入り、SRに関してはどうかしてる我々(MCATM&ラボ)は昼間3時間「SR2」談義を録音、その後舞台挨拶ありで「SR2」鑑賞、その後SR聖地のあの焼肉屋に行こうよ!なんつう夢のような計画を企画して、わくわくしていたんですよ。

    で、蓋を空けてみたら、それを上回る「ハンマープライス何十万円で落札」級の体験をすることになったわけなんですが、そのまず第一弾。

    俺は普段こんなことをする人間ではないので、見る人が見たら、これが俺にとっての焼肉屋シーンであることを分かってくれると思います。場所はH22.7.19 深谷シネマ「SRサイタマノラッパー2」最終日、えーと、えーと、えーと、えーと、物販コーナーにて。ラップで言ってるけどフリースタイルじゃないよ。

    そういうことをさせてしまう映画なのです。入江監督及びSRクルー、ほんとにありがとうございます。IKKUさんをけしかけているラストのヒューマンビートボックスはMIGHTYさん。

    ちなみにSR2の感想、その後のハンマープライス問題は、MCATMと相談しながら今後文章化していけたらと話し合っています。

    labo2010-07-18 23:2910

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  • ダンスで俺を一気に魅了したカトマイラの新曲。地味に凝ってる映像も楽しい。良い曲ですね!

    mcatm2010-07-16 00:211

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  • 何度目の試みになるのだろう…。一体何度語ればいいのだろう…。ripping yard名物(笑)サイタマノラッパー対談!埼玉在住のラッパーであるところのラボ(from JMQ)が、己の境遇を映画に全力で投影した結果、内容に激しく裏切られて慟哭。その様をtwitterで確認していたmcatmが、skypeでの対談を提案。このような歪な企画がこうして実現しました。

    ラボがIKKUに何を期待し、如何に裏切られたのかっ?!mcatmの反論はっ!?二人の認める名シーンはっ!?サイタマノラッパーから炙り出した「日本語ラップ」、そして、この映画に何を見、何を望んだのか!「サイタマノラッパー2」公開中のタイミングで送る、三時間の対戦の記録。中心地から遠く離れた場所でささやかにシャウトする二人のラッパーによる「サイタマノラッパー」評([ちなみに超ネタバレ])です。

    俺はきっと号泣するだろうと思ってたんだ

    ラボ:この映画に関する感想って、実は話そうとすると何種類かの話になる。「映画のストーリーの話」「この映画が愛されていく過程の胸湧く物語」「日本語ラップの話」「俺の話」。あまりに幅広く、底も深いので気が遠くなり、整理しづらいタイプのものなので、混同してしまい、述語がなにに掛かってるのかわかんなくなってしまう…。

    まじどこからいくか…。じゃあ本丸からいっちゃいます。[俺が第1回目に感動できなかった敗因]。

    mcatm:きたね。

    ラボ:まずでかいとこ。[俺自身と共通点が多すぎた]。埼玉県北というぬるい土地、アマチュア日本語ラップ、BBOYにはなりきれない俺、役所!これだけ多くの要素が重なっている映画を観るということは、一映画以上のものを託しすぎてしまうよ。しかも俺の好きな人たちがこぞって絶賛しているわけだからさ。

    mcatm:ちなみに、どれぐらい身近な風景だったんですか?

    ラボ:おっぱぶは見たことある。冒頭の道路の看板とか分かる。[「おっぱいいっぱい」って IKKUがライムを練ってる公園でお昼食べたことあるレベル]。

    mcatm:基本的には、そこはプラス要素かと思っていたよね。ラボさんも見る前はそうでしょ。

    ラボ:それはそうだよ。わざわざ誕生日プレゼントに選んでもらうくらいだし、見る前に「ごめんこれはこれこれこういう内容で俺にとって大切な映画だからちょっと外してもらえるかな?[泣いちゃうから]」って奥さんを上にあげて見たのだよ。

    次。[映画を観る前に主題歌を聴きすぎた]。というか主題歌から入ったからね、俺。陽気なベースラインに絶妙ないなたさのライム。気持ちよくて何度も聴いてて、そこから逆算して映画を想像してた。純粋にあの曲自体が希望を残したエンドロールそのもの、本編のそのまた先の物語、だなんて思わなかったからさ。この3人がすっかり自分の言葉をものにして、この素晴らしいトラックにのせて、ショーグンがグングン形になっていく映画だと思ってた。[そしたら違った]。その曲に向けて(直接はラストと結びついていないのかもしれないけど)進む映画だったので、あ、あああという。

    mcatm:あー難しいっすねー。

    ラボ:そして一番の誤算というか不満点。

    mcatm:ほい。

    ラボ:おれはこんな映画だと思い込んでた。周囲の評判を見聞きしてから実際に映画を観るまでに時間がかなり空いてしまい、加えて共通点の多さから勝手に自分の思い、歩みまで託してしまい、発酵させてしまったというのもある。思い込み、以下のとおり。

    どうしようもないボンクラのIKKUたち。よくは分からんが、ヒップホップにかぶれている。すごく表面的に。ラッパーになりてえ。夢をつかもうぜ。世界に発信するんだよ!ソウルをさ!
    だから新聞を切り抜いて「なんかいい政治ネタない?国際情勢とかさ」といったりしている。自分自身で語りたいことはない。存在していることすら気づいていない。
    そこでその表層的なラッパー、ヒップホップというものをまんま形にして、会議室ライブ(名場面)をやる。ここで初めて一般的な社会、というか常識的感覚と、ヒップホップなるものの間の深い溝(いかに特殊文法にまみれていて、それに守られているものなのか、特殊文法を習得した一部の受け手に守られている世界なのか?だって、見てごらん!教育委員会のお姉さんのまっすぐな視点に君らは答えられるのかい??みたいな)を思い知る。

    mcatm:うん。

    ラボ

    そして、数々の悲惨な場面に遭遇して、どんなにブカブカな服を着て、ライムだ、ビートだ言っても、自分の本質は、ちっとも変わらないことを思い知る。みひろによって明かされる高校時代のいけてなさ、コンビニ駐車場ではヤンキーにこづかれ、あまつさえ思いのあるみひろに目撃され、大切な存在のみひろをKEN先輩に汚されたくないために歯向かうも尻すぼみであり、後輩のマイティーには見切りをつけられ、TOMにも去られ、自分の周囲を満たしていたもの、守ってくれていたもの、本来は自分がもっとも見据えなければならなかったもの(自分自身)を隠してくれていたそれらを失い、みひろもこの場を離れ、ついにみひろがグサリと指摘した「お前が頑張れよ(変われよ)」について、彼なりに出した答えが「焼き肉屋のバイト」なんだと思うんだよね。

    mcatm:うん。

    ラボ:そこでTOMが来た。そこでIKKUはラップせずにはいられなかったわけだよね。

    mcatm:うん。

    ラボ:初めて語るべき言葉が彼の中で生まれたんだよね。なので彼がするべき(べき、というか俺が思いこんでたってことなんだけど)ラップはさっき書いたような内容だと思うんだよ。

    俺の今までのラップは借り物であり、俺は全然変わることは出来ていなかった。友は失い、大切な女は去り、俺には何もない。何もない。でも、俺はレジ打ちを始めた。それにはこういう心境の変化があり、気づきがあり、今こうしてレジを打ってるんだ。ヘイ、TOM、また一緒にラップやろうぜ。

    それはたぶん、彼が初めて、[本当に伝えたいものを自分の言葉で語る]ということを会得した感動的な瞬間で、俺はきっと号泣するだろうと思ってたんだ。

    mcatm:うん。

    ラボ:でも初めて観た時、違和感、というか「あれーーー」と思ってしまったのは、IKKUが力を振り絞って紡ぐラップの中に[「でかくなるぜ!」とか「夢が」とか「世界へ羽ばたき」とか「俺らの才能」とか、彼が打ちのめされる前と全く同じテンションのふわふわした内容]が多く入っていて、「え、ここでループするのか!」って思ったんだよね。戻っちゃうじゃん!

    「夢が」とか「世界へ羽ばたき」とか「俺らの才能」とか入れるのであれば、中盤とかでデモテープを録音する場面、ヒップホップにのめりこんで MIXテープを作るとか、レコード漁るとか、なかなか入らないラジオを録音するとかのシーンを入れて「俺は才能ないかもしれないけど、だけど!IKKUは!俺は!ヒップホップが好きでしようがないんだよ!」って思わせる場面がないと説得力がないと思うんだ。

    mcatm:それ、宇多丸さんも指摘していたところですねー。

    ラボ:HIPHOPが特別好きなわけでなくて、北関東に住む、どうしようもないボンクラが、なんとか駄目な自分を変えたくて何でもいいからただラップに手をつけただけで…っていうのならそれでも全然いいんだけど、ならば「夢が」とか「世界へ羽ばたき」とか「俺らの才能」みたいな最終目標を『ラッパーになりたい』に設けているようなラップにすべきではないのでは、って思ったんだ。

    いま語った部分が結局一番の部分。

    mcatm:例えば、ラボさんと観に行ったB-BOY PARKでの「地方から出て来た新人ラップユニットの3曲目問題(注:出てくるグループのほとんどが「1曲目→俺登場ライム」「2曲目→俺ら地元で極悪最狂ライム」「3曲目→みんなで夢を掴もうぜ、じゃあな!」でステージを去る。あれ、そんな話だったっけ?みたいな繰り返しだったので驚いたという体験談)」にも似てるのかもしれないっすね。だから基本的にね、凄くラボさんの言いたい事は、分かる。

    でも、 IKKUが最後に「獲得した」とされている言葉が借り物だった件、ですけど。僕、あれはね、やっぱり[成長途中の人だと思う]の、色んな意味で。この話自体が、IKKUが何らかのゴールに向かう途中の物語であると思うんです。

    ラボポッドキャストでもいってたね。

    mcatm:あ、ホント?じゃあ、ぶれてないっすね。よかった。
    で、僕はラボさんの言う事を、「なるほど、それはそうだ」と納得して聞いたの。

    確かに、あれは、借り物の言葉だと思う。そのことに、観た時はあまり気付かなかったけど、言われてみれば本当にそうだと思う。しかし、まあ、この人は[本当の意味で大成した人ではない]という事は、劇中何度も執拗に語られているから、それは肌で感じているわけです。

    ラボ:うん

    mcatm:だから、僕はあのシーンの意味は、例えば、借り物が借り物である、という以前、ひょっとしたら単なるファッションだったかもしれない(それこそ、MIXテープ作ったり、本当に入れ込んでいたわけではない)[ヒップホップという「借り物の文化」に、真の意味でコミットした瞬間]だったと思ったんです。
    ラボさんの考える「借り物ではない言葉」、IKKU の言葉をIKKUの表現で語り出す、というフェイズは、その次なのかもしれないな、という意味で、僕はエンディングを「(おそらく)希望へ繋がっているエンディング」と捉えられたんですよね。

    ラボ:ああ…。[ああああああああああ]。

    mcatm:だから、俺は、号泣メーンだったの、あれは。

    ラボ:ヒップホップに対するファーストコンタクト、という解釈、があったのか!そういう見方をすれば…[やばい泣きそう]。

    mcatm:うん。そう思った。

    [日本語ラップっていうのも、根本的にそういう「借り物感」をずーっと抱えている文化]でしょ。そういう距離感も重ね合わせているのかもしれないですね。

    まあ、ちょっと分からないのは、僕は既に監督がこの映画をシリーズ化したいという意向を示している事を知っていたから、そういう奥行きのある見方が出来るのかもしれなくて、これだけで終わる映画だとしたら、モヤモヤが残ったのかもしれないです。でも、今となっては分からないから、あんまりその可能性は考えない事にしますけどね。

    ラボ:本来「俺の生涯の映画」になるもんだと思ってた一本を失った喪失感が結構でかくて、でも今回こうして話すことが出来て、新解釈のひとつも得ることができたので、「体験」となり、とてもうれしい

    mcatm:そうそう、ラボさんの意見には同意出来るんですけど、ただ一点、IKKU がループしているという部分には納得出来ないんです。
    映画が始まったばかりのIKKUと違って、言葉は借りてきたものだったとしても、自分の言葉としてそれを吐き出す事が出来た、っていうところが、IKKUの成長だったんじゃないかな、と思います。

    ラボ:ああ、その解釈だとそうかもしれない。俺の最初の見方だと「夢をつかもうぜ。ラップで羽ばたこうぜ」は、数々の苦難を経る前の言葉だと思えて、「ラップをしようぜ」なら俄然納得できるんだよなー。

    --------------------

    あれはすべてのアマチュアミュージシャンにとって悪夢だと思う

    ラボ:冒頭で言ったけど「この映画が愛されていく過程の胸湧く物語」は特別。入江監督はこれでものにならなかったら映画辞めようとして最後だから自分の好きなヒップホップを題材にしようとしたんだって。んで、完全ラップ素人の役者陣を合宿と称して泊めてさんぴんのビデオを三日間見続けて[「自分なりのフロウを確立しろ」]って言ったとか。そんなストーリーや、[本当に役者陣がラップをものにしてしまった痛快さ]、ヒップホップを飛び越えてしまって青春映画として映画そのものが徐々に支持を得ていく様は、胸躍るとしかいいようがない。

    mcatm:ラボさんのSR名シーンって、挙げるとしたらどこになります?複数回答可で。

    ラボ:それやるか!あるんだよめちゃくちゃ!好きなんだよ!やっぱ!名シーンと名セリフ。これきりがないからもう順不同でぜんぶいこうよお互い。

    mcatm:いっすね。

    ラボ:「おまえ、宇宙人かよ」

    mcatm:いいね。

    ラボ:西海岸系?東海岸系?「埼玉、海ないっすよ」

    mcatm:「ドュリームって…」←これ、一番好きかもなあ…

    ラボ:最初の質問者「昔のディスコみたいで懐かしかったです…。あの、歌詞の内容は、本心で?実体験…に基づいてですか?」…というか会議室シーン全般…。

    mcatm:質問者シーンはみんな良い!最後の質問者の迫真の演技!

    ラボ[あれはすべてのアマチュアミュージシャンにとって悪夢だと思う。]

    mcatm:ホントそう!ああいう場面に出くわさないために、どれだけの労力をはらっているか…。

    ラボ:でさーーーーー、あのシーンのやばいのは当初のショーグン3人のキャラクターイメージを完全に書き換えてしまうんだよね。素直なマイティー、マイペースTOM、イケイケIKKUが、イケイケマイティー、結構流されるTOM(株の勉強を…ラスト近辺で俺も東京にいくかなー)、一番駄目なIKKUに。

    mcatm:やっぱ、ブロ絡みで、余裕があるんだよなーマイティ。あの受け答えも本当に映画史に残ると思うんだよなあ。負のマイクリレー。

    ラボ:司会者から「我々高齢者もこういう音楽を勉強しなきゃいけないんですかね?そうなんですかね?(このラインをDVDで見直してほしいと思う。司会者のせりふを聞くとなにから指摘していいか分からないほど絶望的な両者の距離を感じる。[神様おりてる])、さて、えー曲目は?」って聴かれてノリノリで曲名を告げるマイティー、いやメンバー足りないんで無理ですって交渉するTOM、何か言おうとして何も言えない駄目IKKU。なんかラストより会議室シーンが映画史に残る気がしてきた。

    もう一度言おう[「あれはすべてのアマチュアミュージシャンにとっての悪夢だと思う」]

    mcatm:教室ライブ思い出さなかった(注:僕らは大学の教室を借りてライブをやっていました)??

    ラボ:思い出したよ。ばりばり。で全体的に、あの会議室シーン(またあの質問シーンがこちらの予想より10分くらい長く感じるんだ。次もいるのか!って)もそうだし、みひろもそうだけど、この映画は全体的に詰問シーンが長い…。

    mcatm:三人が腹くくってから、IKKU とTOMのエンジンがかかるまでの居心地の悪い感じと、それでもやってるうちになんだかんだで盛り上がっちゃって、その後の悪夢に繋がる流れは最高!

    ラボ:あそこでシーンを切るのが鬼だよね。爆笑。

    mcatm:ラストはあれだけ見ても意味が分からないけど、会議室はあそこだけで全部伝わる。

    ラボ:普段我々がなんとか避けてきている、流してもらっている局面を、あの映画は流してくんないんだ。痛いんだ。いくつもあるんだけど。そういう場面。「犯すぞ!」も最たるモンでしょ

    mcatm:あれは痛かったなああああ。流さないよねーー!

    ラボ:どうしたって勝てない相手、女みひろ(自分よりスケール何倍って分かってる)に対して捨て台詞を中学生っぽく言うんだけど、ながさねえんだ!だから困っったんだ。[仕方なく「みんな知ってんだぞ」って言っちゃったんだ]。別にそんなこと言いたいわけじゃねえんだ。

    mcatm:あの、俺の男女間コミュニケーションの根本を支えてる[「女は男より精神年齢が三歳上」]という話を思い出す…。

    ラボ[ポッドキャストでも言ってた(笑)]

    mcatm:ぶれねえなー俺!

    ラボ:で「だからどうした」って言われちゃうんだ。言いたくないことまで言ってしまい、それすら跳ねかえされ、目の前に立ちはだかり、逃げ場がなく(!)、一番みたくない「変わらない自分」を指摘されてしまうんだ。

    mcatm:みひろ!

    ラボ:みひろ名場面と言えば、まだまだあるんだよ。最後、IKKUが消えてから、みひろは重い荷物を一人で抱え、長い石段をふらつきながら登る、[その背中のか弱さ]。(一応それだけじゃ伝わらない観客のために、「ぼそぼそ、あれみひろじゃね?」とつぶやく男子校生もサービスして盛ってあったけどそれは、まあサービスで)あの石段の後姿はIKKUといたときには見せることのなかったか弱さで「彼女もまた」シーン。重そうなんだよ、ふらつくんだよ。

    mcatm:確かにそうですよねー。

    ラボ:ポッドキャストでも言ってたけど、あのCD渡すシーン(小学生が隣町へ引っ越す女の子にメンコを渡すシーンみてえだ)の迷った末に受け取る[みひろの表情はなんなんだろう]ね。もう随分前にみた一瞬だからわかんないか

    mcatm:うん。あれは凄いと思う、本当に。なんか、あそこって、「嬉しい」と「悲しい」のグラデーションで表現するような場面だと思うんだけど、[フォーミュラでは割り切れない複雑な顔]してたんですよねー。

    ラボ:それともしかしたらあの表情に結びつくのかもしれないけど、なんでみひろはばかにしながらIKKUにちょっかいを出し続けたのか。

    mcatm:凄く雑な推論なんだけど、所謂、一般的な世間、それもこの場合埼玉の田舎という世間から、浮き上がってるその距離感にシンパシーを抱いていたのかもしれないですね、みひろとIKKUは。みひろとIKKUでは格の差がありすぎるけど、さっきラボさんの言っていたようなか弱さとかも含めて、世間という大きなものから見ると、互いにちっぽけというか、その中で浮き上がろうとする距離感みたいなものですかね、二人を結びつけていたのは。

    ラボ:あ!!!二人で映画観るとすごいな!なんか大切な映画になってきた。

    mcatm:誰がどう見たって、みひろからIKKUへの恋愛感情はないもんね。一見稚拙な映画に見えるけど、人間関係を丁寧に複雑に慎重に描いてる作品だと思うんですよね。表層は大雑把なんだけど。

    ラボ[いい映画作ったね入江監督]。[愛される映画]というか。

    mcatm:うん。愛される資格を持った映画ですよね。ラストシーンの人間関係の入り組み方も、芸術的だなとすら思ったわけで。

    ラボ:うん。みひろに関してだいぶ落ち着いたので名場面乱射しよう。TKD 先輩の登場wwwwwと第一声wwwww

    mcatm:未だに真似するわwww

    ラボ:TKD 先輩の真似が受けるって言ってた意味が分かった。あれも神様おりてきてるよね。つうかTKD先輩芸達者なんだね。DVD付録でめちゃくちゃおしゃれなミュージシャンでライブやってて、フリースタイルもプロっぽいんだ。

    mcatm:TKD先輩の何がラボさんを惹き付けましたか?

    ラボ:玄関の農家っぽさ。北関東の農家。俺の子どもの時の友達の家ぜんぶあれ。

    mcatm:ははは。そりゃリアルだ。

    ラボ:病弱って事前説明あったんだっけ?伝説のトラックメイカーってだけしか考えてなかったから、爆笑した。一番の爆笑ポイントかな。

    mcatm:葬式とか、なんだかんだで悲惨な目にあってるキャラなのに、全く悲壮感が漂わないって凄いっすよねww。一応、病気してる説明はあったと思う。

    ラボ:あとラストシーンの TOMがラップの途中で「俺はラッパーになれなかったんだ!」って叫ぶところ。唐突にラップじゃない。虚をつかれた。

    mcatm:TOM いいよねーーー。会議室のTOM、最高に好きなタイプのラッパーなんですよ。

    ラボ:ポッドキャストでも(略)。[俺はファンか]。

    --------

    人として大事な色んなものを、肌着の間に落として来る仕様

    ラボ:基本的なことなんだけど、主題歌のトラックが良い。スクラッチも。あとこれは声を大にして言いたい。[間奏のピアノパートは実に秀逸で、あの数十秒があったからこそラップ好き以外にもアピールしたんじゃないかと思う]くらい。サントラとして大切。あのピアノパートの余韻が地方都市のいなたさ、日本語ラップの持つ気まずさ、3人の愛すべきボンクラたちに対する愛しさを異常に増幅させるんだ!

    mcatm:あと、宇多さん言ってたけど、オープニングの車のシーン、凄く格好良い。あの曲やればいいのに、って。

    ラボ:ヒップホップPVでも車でのりのりって最高だよね。何かほかに名場面ある?

    mcatm:みひろが出てくるシーンはみんな好きだなー居心地悪くて。スーパーのシーンとか。あの、ダイエーっぽい…。

    ラボ[あれは「キンカ堂」かな(笑)]。深谷駅前のさびれ百貨店。[俺らの結婚式会場の近く]だよ。

    mcatm:わー。それがDELAさん(注:drawing4-5の初代ギタリスト)の言ってた…。DELAさんの、ジモティーっぽいはしゃぎ方も、楽しそうでいいな。

    ラボ:ジモティーっぽいはしゃぎ方も正解だと思う。だってそんなチャンス滅多にないもん。尾道に住んでるわけでもないし。

    mcatm:うん。俺はできないから羨ましい。

    ラボ:本屋コーナーに行く途中に、婦人服売り場を通らなければいけないっていうのが地方を描く上で重要なポイントだよね

    mcatm:あああ!肌着売り場とか。

    ラボ:強制的にもう、どうしたって、かっこがつかない仕組みになってるんだよ

    mcatm:もう、[人として大事な色んなものを、肌着の間に落として来る仕様]になってるんですね。

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    俺日本人だから最初超笑って、そのあとたまげた。なんかわかんねえけど、世界すげーって。すげーでたらめって。

    ラボ:関係あるかないかわかんないけど、日本語でラップをやるということなんだけど、これに関して奇しくも宇多丸がリスペクトって曲で一行で言っちゃってる(「例えばイタメシ パスタにたらこ足した メニューが定番と化した」)。よく日本語でラップをすることは「黒人が歌舞伎をやるようなもんだ。な?どんなに努力したって無理だろ?」という論調があったりするけど、[黒人がハーレムで歌舞伎をやり始めて、誤解と試行錯誤を繰り返して、50年やってみたら…]というのが日本語ラップに言えると思うんだ。

    mcatm:うん!!

    ラボ:一般人にとって日本語ラップは黒人のあれになりたくてやってるんだと映ってる。それが誤解のもと(でもそうとられて仕方ない人もいるし、実際そういう人もいるから複雑だけど)なんだよな。

    mcatm:これまた最近のテーマの一つなんですけど、[「正解が正しいわけじゃない」]ってやつね。

    ラボ:そうそう。それが堂々とでーんと言い切れるのがヒップホップ。へレニズム文化知ってる?

    mcatm:はい。西洋文化とオリエンタル文化が、思いっきり混じり合っちゃったやつね。

    ラボ:高校のとき世界史でかじり知った、だからあってるかどうか分かんないけど、超西洋人の顔付きした仏像とかあんの。俺日本人だから最初超笑って、そのあとたまげた。なんかわかんねえけど、世界すげーって。すげーでたらめって。[日本語ラップ。それでいいじゃん。]

    mcatm:うん。

    ラボ:そう、それは西洋でも東洋でも作れない、じゃあ丁度バランスとって作ってみようと工夫して…でもないでしょ。な、なんかできちゃった…って種類のもの。

    mcatm:しかも、ヒップホップ自体が、そもそも[相当歪な芸術]なのにね。

    ラボ:そうイビツ。[勘違いと思い込み]。

    -------------

    ヒップホップにすら触れたことのない人たちが、ラップを、ヒップホップを、自分の言葉をものにする映画

    ラボ:あともう一つだけね。言わせて。これ最終結論とも結びつく。サイタマノラッパー3はどういう映画にすればいいのか。

    mcatm:このskypeの最後はそこだよね、僕もそう思ってました。

    ラボ:95年にさんぴんとかブッダとかあって日本語ラップ冬の時代が終わりを告げ、結構音楽シーンの中央にきたじゃん。

    mcatm:ジブさんとかYou the Rockのマス向けブレイクもあり、その後の世代の活躍もあってね。

    ラボ:それによってようやく[「あ、日本人がラップしてもいいんだ」という時代が到来した]と思うんだよね。ハイソサエティな人たちに真っ先に受容され、後にストリートな人たちがHIPHOPを取り戻したという向こうとは逆な展開だったけど、ようやく「あれは黒人の音楽だよ、日本人じゃ無理だろ」という論争が一応落ち着いたと思うんです。

    で、次。これは俺なんかものすごい関わってくるんだけど、じゃあ[日本人なら誰でもラップしていいの?]って問題。

    mcatm:ほう。

    ラボ:もちろん[建前上は]「誰でもいいに決まってるじゃん」だけどさ、俺なんかからすると、全然そんなことなくて、あれは結局「かっこよい都会の文化人か、ストリートライクなBBOYがやる音楽」ってことになってたと思うんだよね。言葉を選ばないといけないので難しいけど。でも分かるでしょ?[そのどっちでもない俺がラップしていいの?]って、やっぱりすごいあった。いや全然あるだろ。

    ここが決壊したタイミングが正直真っ只中にいたからかなー、よくわかんないんだけど、すでに決壊してだいぶ経つよね。で、俺も胸をはってラップできるようになった(ほんとはこういうことを言うのは恥ずかしいけど実際はそうなんだ)。だからこそサイタマノラッパーって映画が割と違和感なくできたんだと思うんだよね。埼玉の深谷でも、ニートでも、ブロッコリー農家でも、ほんとはイケてなくても、ラップしてる人たちもいるんだよ。そうそうこういう子たちいるよねーって。

    で、3以降では更に、ヒップホップにすら触れたことのない人たち(層)が、ラップを、ヒップホップを、自分の言葉をものにする映画にしてほしいんだ。

    熟年離婚を迫られた退職後の団塊親父。
    望まない結婚と出産により社会の片隅で、半径1Mの生活を余儀なくされている専業主婦。
    寝たきりが続き自尊心を失い、ただ雲を眺める毎日のお爺さん。
    前に俺がツイッターで書いたけど、中学生のいじめられっこ。

    いじめられっこが明日が来なければいいと思う力、苦悩、その強さ、ボギャブラリーは我々がちょっと思いついたライムを遥かに凌駕するでしょ

    mcatm:うん。[それこそ、自分の言葉を獲得することになる]だろう。

    ラボ:なんかそういった[ヒップホップに出会う前の人たち(もしくは普通距離のある層)が、自分の表現を獲得する瞬間を見たいなって思うんです]。以上。どうかな?

    mcatm:さっき、2のB-Hackも含めて、そういう色んな階層の人達が、少しずつ自分の言葉を獲得していくという話にはなりそうですよね。ただ、その、3になって、「ヒップホップとの距離がある人」がヒップホップという文化の強さ、効能に気付いて、変わっていくという物語だったら、[それは社会を変えるとすら思う]。

    ラボ:2は女の子なんだよね。観たい。女の子なりの葛藤についてラップして、ラップを使ってなにか成長してくれてればいいな…。シリーズ化を考えたっていうのはやっぱり「ヒップホップとの距離がある人」路線も視野に入れてるんじゃないかなあと思ってる。青春映画の枠を越えて。

    mcatm:うん。そう思います。あと、俺はね、 そういう人達の成長を通して、IKKU達がどう変わっていくのか、それに興味がある。

    ラボ:うわー!!やばいね

    mcatm:というのは、やっぱり1では担保してるわけじゃないですか、その後の活躍を。それで色んな部分に目をつぶってるというか、期待している。IKKUが、自分の言葉で語れるようなラージなMCじゃなくても、俺らはいいんです、[シリーズの最後に、最高のMCになってくれさえすれば]。

    ラボ:でも、2以降は[みひろが出ないんでしょ………………………]。

    mcatm:でもさあ、みひろとIKKUの話にもオチは付いてないと思うんですよね。それは、かならずしも物語上で語られる、ということではなくて。長いシリーズの末に、心からかけがえのないMCになってくれればいいんですよね。そして、みひろとの関係に、僕らの腹にきちんと落ちて来る、なんらかの決着があれば、それが僕は見たいと思えたから、SR1は最高だったんだと思うんです。

    ラボ:なんかさ、[今までネット上で見たあらゆる評より、今回のやりとりは俺にとって大切だ]。

    mcatm:うん。俺もDVD買いたくなった!

    ラボ:ラストがラップとのファーストコンタクトだろうという見方の件、みひろがIKKUにちょっかい出し続けたのはシンパシーだという件、一人ではちょっと無理だった日本語ラップの件、3はこうあってほしい件はずっと頭の中にあっていつか誰かに伝えたかったので嬉しかった

    mcatm:というか、映画って幾層にも解釈出来る複雑なものだから、沢山の人と話した方がいいですよね!

    ラボ:ほんとだね。

    ---------------

    さて、mcatmである僕は、昨日サイタマノラッパー2を観てきました。色々言いたい事はあるんですが、ひとまず今日、ここでこの対談をアップしておきます。そして、僕たちのサイタマノラッパー考察は、SR2〜B-hackの活躍するサイタマノラッパー2へとその舞台を移していくのでした…。

    ラボ
    http://twitter.com/labofromjmq
    http://www.myspace.com/labofromj

    mcatm
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    http://www.myspace.com/mcatmcatm

    DVDSR サイタマノラッパー [DVD]アミューズソフトエンタテインメント

    labo2010-07-12 00:3013

    Thumb beaae747026060282e1f598999f1468e
  • 今日公開じゃねえか!!

    当サイトでも何度も取り上げ、何にそんなに魅力があるのか分からぬが、何か語らずにはいられない雰囲気を醸し出してる愛すべき映画「サイタマノラッパー」の続編がいよいよ登場…ということでこの動画。言い訳無しの実に格好良いPVだと思う!普通にAYUMUとKUDOのラップ、ソロアルバム出たら欲しい、ぐらいの勢いで好きだなあ。

    そして安藤サクラは、両親を超える女優になると思うよ。無視出来ない存在感。映画館に観に行きます。

    http://www.youtube.com/watch?v=m…

    sr-movie.com

    DVDSRサイタマノラッパー2女子ラッパー☆傷だらけのライム [DVD]アミューズソフトエンタテインメント

    mcatm2010-06-26 12:521

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  • 大名曲なのにPVがひどい。「大ヒットアルバム発売から一年経ってこっそりシングルカットされた5thシングルのPV」的ひどさ。本PVを無音再生し「この映像に当てはまる曲を答えなさい」って街頭インタビューした際「Slum VillageのSelfishかな」って言う若者がいたら、例の噂の東京マガジンの嫌味全開ナレーションでディスりたくなるほどどうかと思う。分かりづらいけど。

    1分30秒前後の「歌詞の上に頭がちょんちょん」って!

    labo2010-05-28 22:534

    Thumb 6fcf8531b622d7827a7077d4761c0b73
  • ちょっと出遅れたが、この動画すげえ!やっぱ良い具合に色んなところに共振しているんですね、PSG。

    ファーストアルバム「David」からの遅れてやって来た、最高にクールで楽しいPV!PSGのオールドスクール感が非常に良く出ている映像に、何かやる気が出て来たよ!

    http://www.amazon.co.jp/dp/B002L…

    mcatm2010-05-17 22:212

    Thumb cc9ff9f52337fe28ec8c5c159c38ce81
  • この人の押し寄せっぷり!あー、超行きたかったなー、KAIKOO!!!!

    mcatm2010-04-21 00:522

    Thumb 9b32eee9d86d72cce4bb00a38fb83715