Politics政治


  • 『選挙2』

    2013-07-22 02:43

    想田和弘監督の観察映画第5弾。

    『選挙』で過酷なドブ板選挙を戦った山さんこと山内和彦氏が、全く別の人間になってしまったような印象を受けて驚く。完全無所属として出馬しているにも関わらず、どこか他人事。前回選挙を自民党の議員として当選した経験もあって、地元の政治家について詳しいので、「政治通の愉快犯」にしか見えない。

    そのトリックスターがへらへらと選挙について語り続ける前半部から一転、中盤以降は必然的に訪れる「山さんの不在(だって、選挙活動しねえって言うもんだから…)」を通して、現行の「選挙制度」に対する疑問が浮き彫りになる。観察映画が浮かび上がらせたテーマと、山さんの主張、その2つの線がピタッと一本に重なるところに、物語的な面白みを感じてグイグイと引き込まれていく2時間29分であった。最高にキャッチーな二人の議員との対立(「小学生でもわかるでしょ」「要望ではないです」などのキラーフレーズに身も心も凍る)、地道なビラ配りとティッシュ配りの対比、同士との会話など、単なる日常風景をまるでミステリーのように感じさせる構造が観察映画の面白さ、エンタティメントとして成立する所以だと今回も痛感した。振り回された想田監督が漏らした愚痴に対してあまりに的確な感想を返す山さんに、観察映画の主客が反転したこと、それと同時にこの映画は全編通して(至る所で『選挙』を撮った監督としての立ち居振る舞いが要求される)想田監督を主人公にした物語でもあったことに気づかされる、この構成も見事。

    あとこの映画は予告を観ても分かる通り、極上の息子映画。息子映画好きには是非オススメしたい。

    チラシにも描かれた、防護服を着ての演説シーン。良くも悪くもまっすぐで嘘のない山さんの主張に多少なりともグッと来ないというのは嘘になるし、その横で全く無関係にはしゃぎまくる息子の姿も最高にキュート。どちらも、愛すべき無邪気さだ。このシーンでは、まるで漫画かコントのように、この映画が描いていたテーマが縮図のように現れ、それが雑踏に溶けていく演出も含めて、想田監督の作品の中でも最もエモーショナルで感傷的なものになっていたと思う。

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    『選挙』もまた観返したくなった。

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    mcatm2013-07-22 02:43

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  • 道路特定財源をめぐる国交省のデタラメな使い方がまた発覚した。
    兵庫県芦屋市の阪神国道事務所が07年までの過去5年間、道路特定財源から総額1億円も使って空き地にドングリを植えていたというのだ。

    全くけしからんな!っていうか本当に頭に来てる、「国民に痛みを」的なノリから、本来あるべき身内切りもすっとばして税金だけバカスカ上げておいて、挙句これかよ!という、憤りも甚だしいニュースなんですが、「税金でドングリ植えた」って…。ちょっと好みのタイプのまぬけエピソードなので、ニヤニヤしてしまいます。けしからん!

    http://alfalfa.livedoor.biz/arch

    mcatm2008-05-20 16:18

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  • 長野で聖火リレーを観てきました。吹きすさぶ風と雨の中、長野駅前からゴール地点までの徒歩コース。凄まじい数の中国人と、大きな中国旗。彼らの掲げる「One World, One Dream」という標語の怖さ。二度、聖火とすれ違いました。

    「チベットの現状を見て、義憤にかられ、抗議にでかけた」と書けば正義の徒、もしくは短絡的で頭の弱い可哀想な男と捉えられたことでしょうが、長野に向かう前日の僕の心を支配していたのは義憤みたいな単純なものよりも複雑な感情。この目で「何が」「何を」「どう」動かしているのかを、マスコミのような第三者の目を通さずに見てみたいという気持ちが強かったんですが、結果的に行ってみて、やはり面白い経験になりました。

    結局、予想していた事が、予想していた通りに起こった聖火リレーでしたし、報道のされ方も報道の受け止められ方も予想通りで、実際この目で見たものとはかけ離れていました。勿論、暴徒もいたし、小競り合いもなんども見ましたが、全体として受けた「恐ろしさ」は、もっと違う部分からひしひしと感じました。

    例えばこんなコピペが、mixi〜ブログ上で凄い勢いで広がっています。

    世界最低の国、日本

    はてな匿名ダイアリー世界最低の国、日本(転載)引用元:…

    こんな事が起こってもおかしくない、異様な興奮状態にあったことは間違いないですが、イメージとしては以下の方が全然近い。

    長野行ったけど、警察の対応について。

    はてな匿名ダイアリー長野行ったけど、警察の対応について。

    上の警察批判よりも、もっと警察を擁護する寛容な意見に取れますが、これこそが今回の聖火リレーの真の恐ろしさだったんじゃないかなと思います。

    「数の暴力」。行き交う中国人は皆笑顔、もしくは上気した様子で、「加油(頑張れ、という意味みたいです)!」を連呼し、「Free Tibet!」「Stop Holocaust」のシュプレヒコールに応じる。これはさながら運動会の応援合戦で、そこに鬼気迫るものは感じられなかったのですが、そんな徹底的な「能天気さ」が、危機意識の無さ(思考停止)、客観性の無さとしてあからさまに立ち上がり、裏側にある「力」の存在を浮き彫りにするという図式に、チベット側と中国側の間に立ちながら震えました。

    この「力」は、ここにいる4000人強の民衆を暴徒に変える事も容易く行えるのだな、と。それぐらい抗議者の人数は少なく、中国人の祝祭ムードの中で申し訳程度に叫ばれる「ありがとう長野」の声に、国を奪われたかのような無力感に襲われた。そう、日本人の声は、そこに反映されていないかのごとく、静かで無力でした。

    はてな匿名ダイアリー長野の聖火リレーで長野の聖火リレーでチベットの旗を持って騒いでる奴のほとんどが、チベットのことを考えてるとはとても思えず。ネットウヨとか嫌中国厨がFreeTibe……

    そしてそこにはまた違う「声」が、全く違う主張をするために存在しているわけです。「中国人は日本から出て行け!」だとか「黄砂を飛ばすな」だとか、明後日の主張を繰り広げる「嫌中反中ネットウヨ」といった違った「力」の発表場所にもなっているわけで、もうそこで何が行われているのか、聖火リレーとは何なのかも分かり辛くなっていました。

    ヤクザのごとく挑発を続ける「人権活動家」と道路を隔てて、道行くお婆さんの事を気にかけて優しい声をかける中国人女子留学生の姿もあるということは、覚えておきたい。「数」で民衆を動かすのも、「数」で民衆を捉えるのも、同じように危うい事だなあと思いました。

    まだまだ書きたい事はあるのですが、他の良いエントリを紹介しながら、少しずつ書いて行きたいと思います。

    mcatm2008-04-29 05:101

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  • 入学金未納の生徒を入学式に出席させなかった件から派生したWEB言論に関する長文エントリ。教育と社会を考える一つの端緒として必読です。

    こういった場合、子供は一方的に被害者であって、その子供を救済できるシステムを社会は構築していかなければならないし、それが例え「払えるのに払わない駄目な親」の子供であっても(というかそうであるなら尚更)救済されなければならない問題ですよね。そこが、もの凄く短絡的に「断罪されるべき!」という意見に塗りつぶされているのが一つの問題だと思います。

    でも一方で、僕も「でもお金払っていないなら仕方ないよね」という別の短絡的な考え方でいたので、以下の引用部には凄く唸らされました。

    こういう話をしていると必ず出てくるのは、「真面目に払っている人が損」という種類の声です。これは一見正論のようだし、これに対する反論は偽善的なヒューマニズムでしかない、という風に捉える人は多いかも知れない。でもそれは違う、払えない親や、払わない親の子供を教育現場から投げ出す事は、社会的に見て損だから、それは社会全体が大きなリスクを抱える事になることであり、遠回しに大きなコストを社会が抱えて損する事を、社会の構成員全体で防がなくてはいけないし、その為のコストは払うべきなんです。

    脱法者が責められて済む問題ではなく、でも今回出席を認めなかった教育者(法)だけが責められる問題でもなく、社会の在り方がその脱法の陰で泣く一方的な被害者たる子供を救えるようなシステムである必要があるのだろうと思います。

    親に責任とらすためにも、お金の回収は厳しくキッチリと専門家にやらせたほうがいい。これは教育問題じゃないよ。行政の問題。先生に話を押し付けちゃダメだし、子どもに責任をとらせちゃダメ。成年になるまでは保護者の責任。子どもにツケをまわさないやり方にしませう。
    はてなダイアリー親のツケを子に払わせない - (旧姓)タケルンバ卿日記話の本筋以外に激しく反応。関西って本当に阪神タイガースをテレビで取り上げている - 真夏に悪い夢を見る..…

    それとは別のフェーズで、以前のラボさんのエントリにあるような、過剰報道による横やりが、事態をややこしくしていて、これもまた酷く僕を萎えさせるんです。報道した方がいいのか否かは別として、凄く一義的な見方で現場を断罪していくのって、ここ十年ぐらいの社会を疲弊させている気がするのですが、この辺まとめきれないので、いつか良いエントリにきっかけ貰って考えてみたいです。

    はてなダイアリー他人にやさしく、思いありのある社会で子育てをしたい - 昨日の風はどんなのだっけ?FINAL BESTLINDBERG by G-Tools…

    mcatm2008-04-18 05:551

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  • 2008年北京オリンピックにおける、聖火リレー問題ですが、僕はしばらく前にこの記事を読んで、どう考えてよいのか咀嚼し切れない部分があります。結論から言うと、やはり僕は聖火リレー〜中国で行われる「平和の祭典」に対して、何らかの反応(抗議の姿勢)を示すべきだという意見を持ってます。でも、改めてそこに辿り着く為に自分の中で意見を一周させる事が出来ました。加えて、最近、市民活動や抗議運動に興味があった(どっちかというとネガティヴな意味で)ので、考えをまとめる上でとても参考になりました。

    これからの時代は、政党や国家の枠組みを超えた民衆運動や市民運動が、政治の主役になっていくことは間違いない。
    しかしその時代を見越して、世界の支配層は、既にそうした運動を体制内部に取り込み、道具として使い始めている。それを統率するのは、自称「ジャーナリスト」や「人権活動家」、そして体制に手なづけられた社会民主主義者だ。
    アメリカが軍事力を使って20世紀の覇権国になったように、ヨーロッパはそうした民衆の力を利用して覇権を確立しようとしているのかも知れない。
    そのひとつの象徴的な存在が、ベルナール・クシュネルや「国境なき記者団」であり、今回の聖火リレー妨害は、その最初の目に見える「戦果」だと言えるだろう。

    人権活動家や運動家が、ヨーロッパにおける利権の大きな枠組みの中で利用されており、今回の聖火リレーの件はその最初の大きな成果として記憶されるだろうという説。とにかく聞いた事も無いような詳説に、凄まじい量の知識としっかりとした組み立てに裏打ちされた記事だと感心し、興味深く読ませてもらったのですが、釈然としない思いも。

    (中国のチベットに対する)暴力に対して、(民衆の聖火ランナーに対する)暴力で対抗する…、という力の論理が、我々の否定し抗議していたはずの新たな暴力に繋がる、と言うとそれはそれで納得も出来るんですが、それを言うにはいささかロマンチズムが過ぎる上に、おおよそ政治の話が関係ない分野の話と交錯しまっているのではないかという気もします。

    多分、「では僕は傍観するしかないのか」という、アクションの話になってくると思うのですが、勿論平素であれば聖火リレーなんて普通に傍観すればいいんですけど、でもそうではないだろう、それがまた別の体制に利用されるのだとしても傍観はないだろ姿勢として、暴力も用いない、法も侵さない何らかの形で、中国が脅かしている「自由」と「平和」に対する意見を表明していく必要があると思うんです。

    ※テレビ等で、「暴動」と称されるのにも、違和感があります。これも、改めて言葉にしたいんですが。「派手じゃなければ武器にならない」という世界を先導しているのは、テレビじゃねえか、と。

    僕はユーモアは最大の武器だと思っているんですけどねえ、それこそ端的に「自由」を表明する近道だと。

    http://black.ap.teacup.com/fukas

    mcatm2008-04-14 04:251

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  • 橋下知事の「朝礼事件」で、覆い隠されたものは何だったのかという考察。橋下?姜尚中?ネグリ?ジジェクまで。ネグリ不在の集会でこんな事が起きていたとは、知らなかった。

    「朝礼事件」で、ふと気にかかったのは、「あれは本当に大人の態度だったのだろうか?」ということで、これを読み解くと、確かに真正面からの議論をスルーしていることに加え、「場の空気を読まない」という事そのものが、存在しなかった「仮想権力」を現実のものにしているのだなあ、と、なんとなく理解のフェーズが深まった。

    色んな意味で面白いです、橋下知事。悪い方向に転がる可能性があるけど、現状を鑑みれば転がるだけましだもんね。

    (元)登校拒否系大阪府KY若手職員と「姜尚中トラメガ事件」について−−米粒が立ち上がった日 - (元)登校拒否系3月に大阪と東京で行われた別の集会において、二人のテレビタレントがとっさのリアクションを迫られるハプニングがあった。 大阪では、府の若手職員を集めた「朝礼」が行…

    mcatm2008-04-08 16:413

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  • 『青少年の健全な育成のためのインターネットによる青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案』という法律が、ドサクサに紛れて国会を通ってしまうんじゃないかっていう話。

    いや、権力者っていうのは、いつだって誰だって中国みたいになりたいだろうなーって思ってるから、こういうのは想定範囲内。だから、戦っていかなければならないんだろうな。

    1.内閣府に設置される少人数の青少年健全育成推進委員会(最大数5人)っていう組織が、インターネット上の全てのコンテンツについて、青少年に有害か無害かについての判断基準を作成します。ちなみにその基準へ異論を申し立てる方法はありません。(法案19条から31条)
    2.個人も含む全てのウェブサイトの管理者は、上記の有害コンテンツの基準に合致した場合、サイトを丸ごと未成年が入れない会員制にするか、フィルタリングソフトへ自らのサイトをフィルタ対象として申請することなどが、求められます。(3条1項)
    3.全てのISP、ASP事業者などには、有害コンテンツの削除やサービスの停止が求められ、従わない場合の罰則も設けられます。結果としてウェブコンテンツの削除は行われることになります。(3条)
    4.全てのPC・携帯電話について、国の基準に基づいたフィルタリングソフトウェアをプレインストール、あるいは、フィルタリングサービスに強制加入することが、PCメーカー(努力義務)及びキャリア(提供義務)に求められます。(5条、8条)

    http://ofo.jp/blog1207249431.pht

    mcatm2008-04-04 16:211

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  • 安倍元総理が命をかけて小沢との密談を望んでもなんの変化もないのに、福田総理に切り替わるともそっと人間モドキ(マグマ大使)のようにわいてくる「さる人」と「総理の代理の人」とはなんなのか? フィクサーと言う以外ない。こんなものが国策の根幹にぬっと現れるのが日本国なのだ。そこがこの騒動の本質だ。

    切込隊長のエントリは良く判んなかった馬鹿の俺だけれども、極東ブログの当エントリはよく分かる。飛びついて脊髄反射で井戸端ミーティングしてしまうと、行き着く先は陰謀論なので慎重に見ていきたいんですけど、それにしてもここ最近の動きはきな臭すぎるよ。

    小沢一郎民主党代表辞意撤回の感慨: 極東ブログ

    mcatm2007-11-08 03:32

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