Ryan Goslingライアン・ゴズリング


  • ナイスガイズ!

    2017-04-29 02:54

    観る前からタマフルでの宇多丸さんの批評が楽しすぎて何十回も聞いてしまったほど、この『ナイスガイズ!』、一言で言うなら「サイコー!(裏声で)」としか。

    シェーン・ブラック(俺にとっては『リーサル・ウェポン』のシェーン・ブラック)が監督を務めた、ラッセル・クロウ(ぎょっとするぐらい太った)と、今をときめくライアン・ゴズリングによる70年代風バディ・ムービー。個人的に、一番近いのは『ブルームーン探偵社』だと思った。つまりライアン・ゴズリングは現代のブルース・ウィリス。ヒロイン(?)アメリアの剣幕に死ぬほどビビってたり、「あ、デキる奴なんじゃーん」と思わせて、やっぱり全然駄目だったり、ずっとライアン・ゴズリングの事ばっかり考えちゃって、これが『ラ・ラ・ランド』と同時期公開だなんて、因果な国だな、日本、って思った。「ジーザス!(裏声で)」には声出して笑った。

    俺も直ちに続編希望。

    DVDナイスガイズ! [Blu-ray]松竹

    mcatm2017-04-29 02:54

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  • ラ・ラ・ランド

    2017-03-21 02:41

    LAの高速道路を塗りつぶすカラフルな渋滞から物語は始まる。ゴダールの『ウィークエンド』を想起させる車の群れは、永遠に延びているように見える。「シネマスコープ」仕様のスクリーン、その向こう側まで。

    オープニングの素晴らしいミュージカルシークエンス「Another Day of Sun」は、そんな抑圧からの解放を「総天然色の夢」としてスクリーンの上に具現化してみせる。うだるように暑苦しい空間、じっとりと青く滲む空をレタリングするように「LA LA LAND」、Yasashii Std Regularフォントがスクリーンを支配する刹那、この映画の持つ空気感にグッと支配されたような感覚を覚えた。『ラ・ラ・ランド』。美しい映画が始まる。

    夢を日常が切り裂き、日常が夢を終わらせる

    しかし、アヴァンタイトルの終了と同時にシラっとした空気が流れ、喧騒に溢れた日常が一気に着地する。狂乱を演じた人々は、まるで集団熱病かなにかに冒されていたのだと言わんばかりに、車中、相も変らず停滞し続けている時間の中に舞い戻る。この切り返しのグルーヴ。夢から覚めたような虚脱した時間感覚。このいかにも「ミュージカル」的な、現実と夢を越境する時の、エスカレーターを降りた瞬間のような違和感。

    もしくは、LAを見下ろす丘のマジックアワー、端から「映画史に残る名シーンを撮影するぞ!」とスタッフ一同鼻息荒く撮影したに違いない、とんでもなくキュートで魅惑的なタップダンスのシーン。やがて二人の結びつきを示すことになるダンスと音楽が、うんざりするような日常音の象徴=iPhoneの着信音にせき止められる。多くの場合、「タイマー」としても使用されるこの着信音はやはり、現実と夢の境界線である。

    今にして思えば、「アカデミー賞14部門ノミネート!」といういささか景気の良すぎる話で2017年前半の注目をかっさらい、監督賞・主演女優賞(エマ・ストーン)含む6部門で受賞しながら、受賞作品を取り違えられるという「世紀のハプニング」を経て、結果的には『ムーンライト』に作品賞を持っていかれたという結果も、この現実と妄想の被膜に織り込まれたストーリーの一部だったようにすら思えるのだ。

    誰も主人公のことが見えていない。本人ですら

    映画館で何度も目にした予告編でもその都度落涙を禁じ得ないほど、本作の「音楽の力」は強力な武器である(俺の涙腺の緩さはさておいても)。その中でも特にパワフルな楽曲「Someone in the Crowd」に乗せて展開する、パーティーのシーン。「娯楽の暴力」とばかりに冒頭から飛ばしまくる本作のパワーが、見知らぬ世界を前にとまどいを見せ、一歩を踏み出せずにいる主人公ミア(エマ・ストーン)を、狂乱の渦に引きずり込まんと荒ぶるうちに、空気に滲むような極彩色が踊りだす。とにかく撮影が素晴らしい。しかし、フィルムに乗ったその美しい色彩が、二人の蜜月を映した夏のチャプターをピークに、徐々に失われていく。そこに取り残されているのは、「極彩色の夢」などではなく、「ビターな現実」である。

    ジャズへの情熱を語るその一方で音楽に対する姿勢は柔軟性を欠き、ピアノ弾きとしての職務すら全うできずにいるライアン・ゴズリング演ずる主人公のセブ。ホーギー・カーマイケルの座ったという椅子を後生大事に扱うところからも窺い知れる、古き「良き」ものに固執するセブ。
    方や、ミアは女優業を志してはいるが、ぼんやりとした憧れを抱いているだけで、ただただ闇雲にオーディションを受けては落ちる生活を送っている(杜撰なスケジュール管理をどうにかしろと思う)。ふたりとも互いに相手に欠けているものを認識しているが、己の社会に対する不誠実さや、己の本当にやるべきことが全く見えていないか、もしくは努めて見えていないふりをしている。そうした不誠実さがやがて二人を地獄に導き、そのありきたりな帰着として迎える決定的な破局を以って、「人って、自分のことが一番見えてないんだよね…」と一般化の後に、観客はもどかしさを感じてしまう。本作を通して噛みしめさせられるこうしたビターさの中にこそ、本作の最も優れた効能が含まれているのだ。

    例えばその効能は、「夢追い人」と歌われる二人の路がはっきりと分岐する瞬間、この選択は本当に不可避のものだったのか、と胸に去来した出所不明のもやもやした気分にもあらわれている。一般化してみると、我々もそんな現実を後付で「運命」と呼んでいるのではないかと気付く。そう、人間とは「不可避な現実」を、後付で「運命」と呼ぶ生き物なのだ。セブにとってのジャズも、古き「良き」ものではある(このセブの見立てもいささか狭量である)が、そうであるが故に「古臭いもの」として排除されゆく運命にある。その運命を受け入れるのか、それとも拒絶し抗うのか。

    倒錯した夢は、もう一つの現実

    本作において、多くの場合ミュージカルシークエンスとして描かれるのはもう一つの現実=「夢」でもあり、またその「夢」から登場人物たちは唐突に「現実」に墜落する(本作で最もドリーミーな瞬間は、雲の上で描かれるわけで、それを浮揚と墜落、離陸と着陸の暗喩で語り直すのは然程突拍子もないことではない…のではないか)。本作における最も大きなネタバレとなるであろう「ラスト数分間のミュージカルシークエンス」。ここで、観客は最も大きな浮揚と、最も大きな墜落を目撃する

    (ここから大ネタバレ)

    破局から数年後、ふたりは、ふたりなりの成功を収めている。セブは現実に折り合いをつけることで金銭的な成功を収め、ミアとの思い出に寄り添うかのように「セブス」と名付けた店を成功させ、ジャズをささやかに復権させた(ように見える)。『マルホランド・ドライブ』における売れない女優の妄想を想い起こさせるようなオーディションでの凄まじい演技を評価されたミア(この映画で何度かある、夢と現実の境界線が曖昧なシーンの一つだ)もまた、かつて羨んでいたような成功した女優として、家庭を持ち、幸せな生活を送っている(ように見える)。交わらなかったその二つの時間軸が奇跡的に交錯する瞬間、「もう一つの現実」が白昼幻想としてもう一度色鮮やかに具現化する。

    あるべきだったもう一つの現実では、出会いの瞬間からよりロマンティックに塗り替えられた二人の恋は永遠に続く。しかし、セブの理想は影を潜め、彼がミアに人生を捧げることで、お互いの境遇は少しずつバランスを変えていた。そういう意味では、これは単に「己の成功と引き換えに、ミアの成功と二人のロマンスが続くことを望んだ」セブの夢だったのかもしれない。一方で、かつて幾度となく通ったであろう「セブス」の建物のそばを通ったときに何も思い出さなかったミアの心には、一体何が去来していたのか。

    ふと夢から覚め、世界がその妄想に飽きてしまったかのような気だるさが戻ってくると、「夢」と「現実」の境界線におけるこの映画のルールはここで厳格に適用される。そう、現実が舞い降りてくるのだ。しかし、まさしく永遠の別れが訪れるその瞬間に、もう一度だけ二人は視線を絡ませる。その表情には、「もう一つの現実」を、単に「選択されなかった人生」として客観視する冷静な視線と、「選択された人生」を生きた互いの健闘を認め合う感情の両方が浮かんでいたように見えた。

    ロマンスは続かない。そんなありきたりなほろ苦さ、それこそが人生である。しかし、それに耐えきれなくなったら、つかの間、もう一つの現実をよすがとして生きていても良い。そんな弱さを肯定されたような気がした。本当に、美しい映画だった。

    MusicOst: La La LandInterscope Records

    DVDラ・ラ・ランド コレクターズ・エディション(2枚組) [Blu-ray]ポニーキャニオン

    mcatm2017-03-21 02:41

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  • 予告とかあらすじでてっきり「ベストキット中年夫婦倦怠期ver」だと思ってました、劇中でもベストキット言ってるし。冴えないニューバランス野郎を指南するモテ男とのバディものだろうね、それに評判いいからたぶん素敵なんだろうね、などとたかを括ってたけど、結論から言うと「メインストーリーより準キャラが異常に活き活きしてる系の良い映画」だった!

    雑に箇条書きで良かった点。

    ・なにしろモテ男役ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの恋愛立ち上がる瞬間の見事な臨場感が白眉!彼女がフォトショップの話をしはじめた辺りから会話のグルーブがやばくて、デスプルーフにおける「バニシングポイント」引用ばりのダーティーダンシング使いがバカバカしくもありながら、結構恋愛初期の二人だけにしか通じない悪ふざけっぽい空気感(あとで第三者に説明しても絶対通じないような類のあれってあるじゃん?)は確かにリアルで、なんつうかときめいた。ナンパした女性を部屋に招いてかけるレコードとしての選曲も完璧で笑える。あとベッドで始まろうとしてるのに通販の話ばかり彼女が仕掛けてきて「慣れない無茶から冷めかけてびびってる」描写だと思ってたら、ゴズリングの誰にも見せない一面にダイレクトで響いてしまってて、「冷めた」んじゃなくて、仕切り直してマッサージチェアを移動して、もっと真正面から会話をたのしみ始めたところも予想を上回る展開だった。(って書いてから確認も兼ねて見直したけど、やっぱフォトショ以降の会話尋常じゃないわこんなグイグイくる会話シーンあるか?ゴズリングの落ち着きもまたいいんだ、奥行あるんだ。)
    ・「私いまからセクシーなバーの男と一発やるんだ」→「いやジェイコブ」を2回繰り返して、あ、この人モテるけど普段自分自身を見てもらえないことを気にしてるんだと分かる。いいセリフ。
    ・なかなかの息子映画。最後の片思いのお姉さんとのやりとりは、素晴らしかったー。正直前半はサイタマノラッパー1会議室クラスのつらいシーンの連続(惚れてるお姉さんに最中みられる。悪夢のサプライズ告白)なんだけど、ラストの告白後、ようやく一人の男として認識してくれたお姉さんの行動と彼の表情ときたら!お姉さんは「よし分かった、認める、あなたは男になった」と初めて認識してくれて、頬だか首筋にだかキスしてくれるじゃん。それも全力でセクシーに。キスのあとも最大限魅力的に、大人の女性的に、スマートでミステリアスに去っていくじゃん。そんときの彼の表情。驚きまじりのため息つきながら「オトナやべー!オトナの世界やべー!」って顔してる。男として認めてくれた証に、敬意を表して本気で全力でオトナの世界を見せてあげたわけだよね彼女。大好きなシーン。
    ・初めて妹のおむつを変えてくれた時から好きだー!って書いた脚本家すげえよ。
    ・ラストのビンタ使いは絶妙だわー。
    ・保護者面談は鬼。鬼シーン。
    ・終盤の庭におけるぷよぷよみたいな人間関係つうか恋愛関係つうかの連鎖は数がバカバカしくて笑った。数で予想を超えてくると笑っちゃうよね。
    ・息子のいないところで夫婦が息子について語るシーン。「あいつ何なん?まったく何なん?(ニコニコ)」的会話が、もう、分かるわー。

    あと気になったとこ。

    ・妹ちゃんが可哀想すぎんだろ!大体おめかししてパパとお兄ちゃんと一緒に飾り付けとかパターゴルフ用意して大好きな両親が仲直りするかもしれないワクワクってときに、あんなぷよぷよ見せられたと思うと不憫で不憫で。悲しい俺。終わったあとも所在なくつまんなそうにしてるしさー。当然っちゃ当然かもだけど彼女だけが恋愛の連鎖からつまはじきにされてる感じもなんか。
    ・いくらなんでも出入り激しすぎてメイン夫婦の絆復活とかどうでもよくなちゃった感がある。もう今更感。
    ・後半、キャルのゴズリングに対する態度が厳しすぎる。聞く耳もたなすぎる。ゴズリングもなぜキャルにアドバイスをするようになったかという動機(優しすぎて割を食っていた亡き父の面影をみたから。この動機って物語が始まるか否かを左右するような重要なものだと思うんだけど)を伝えなかったんだよなー結局最後まで

    俺こんなに長文書く気まったくなかったんだけど!!!!

    labo2013-08-23 23:49

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  • ドライブ

    2012-04-24 00:12

    ライアン・ゴズリング初体験でしたが、素晴らしい映画でした。何より、時空が文字通り歪んでみえるような、妙な間、妙なアングルが跋扈していて、何事も起こらない時間すらスリリング。後半、脚本が息切れしてるな、エルトポ化してるな、と思ってしまうようなところもありましたが、それにしても例のエレベーターシーンをおかずにご飯三膳は食えます。ご飯三膳食えるからおすすめ。近年では『グラン・トリノ』を思わせるところもありましたが、ベースにあるのは西部劇。余談ですが、この映画のCMが最高にサイケだったので、観ていない人はチェックするといいと思います(どうやって??YouTubeにある方は観ない方がいい)。深夜に流れて、鑑賞の決定的なきっかけになりました。

    https://www.amazon.co.jp/%E3%83%…

    mcatm2012-04-24 00:12

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