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むすこが帰ってきた。心に空いた隙間が埋まったような気がして、俺は親離れできるのだろうか。こわい。


今日もアサイヤス観た。『冬時間のパリ』。昨日の『アクトレス 女たちの舞台』に続いて、邦題が全く機能していない。それはさておき、これもまた傑作で。デジタル化の波に翻弄される老舗出版社に務める敏腕編集者・アラン(ギヨーム・カネ)と、人気アクションドラマに長年出続けている女優・セレナ(ジュリエット・ビノシュ)の夫婦。二人のダブル不倫を描くのだが、一貫して複数のテーマが走り続けて、表層がコロコロと変化し続ける。原題は『Double Viles(2つの生)』で、「二重生活」的な意味らしい。如何にも、表層と実際が乖離し続けたまま、取り繕うように人生が流れ続けている。しかしながら、そうした「形式」と、電子化する出版文化、政治とネット、といった社会課題の接続面は一向に見えてこなかった。これは俺の観察力不足だろうと思う。

MCATM

@mcatm

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