ポケットの中の握り拳

パオラ・ピタゴラの美しさ。「このテーブル、木製ですかね?」の童貞感(2014年一番衝撃的な爆笑セリフだった)!彼が何をしたかったのか。『動くな、死ね、甦れ』のような、ラストシーンの衝撃。出オチっちゃあ出オチ。頼れる長男に置き去りにされてる家族。盲目の母、美しい妹、知恵遅れの弟、てんかん患者で職にもついていない主人公。その誰もが、別の誰かに寄りかかっていて、少しバランスを崩しただけで壊れてしまうような危うい関係。危機は明確には訪れない。オープニングに映し出され、不穏な狂気を感じさせる妹の手紙。長男の婚約者。母の介護。それとも他の何か。事が起こるきっかけが何だったのか、はっきりしないのと同様に、どのような思考を経て、結果、今何が起こっているのか、判然としないまま時は過ぎ、一つ一つ暴力が積み重なっていく。ヌーヴェルバーグの衝撃を例に取る のも分かる、マルコ・ベロッキオの荒削りな処女作。
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