ある子供
たった一つの過ちが、人生を狂わせる…みたいな紋切り型も、その過ちが重篤過ぎると同情の余地がない。生まれて数日の子供を、実の父親が他人に売り払ってきたら、あなた許せますか?
映画史上最もショボい男が主人公。目先のカネ欲しさに実の子供を売る神経もかなりのもんだが、「クズどもと働く気はねえ」とか抜かしつつ、一回りも若いガキを引き連れて窃盗を繰り返す神経も凄い。
母親も「子供」ながら、徐々に母性を目覚めさせていくのに対して、父親である主人公ブリュノは変わらない。そういう意味では『そして父になる』の変奏と言ってもいいかもしれない。
ダルデンヌ兄弟のパルムドール二本目。相変わらず、無駄なシーンは一つもない快作。「ある子供」とは、二人の子・ジミーのことでもあり、主人公ブリュノのことでもあり、その下っ端のスティーブのことでもあり、ソニアのことでもあるのだ。
もっと読む
ポケットの中の握り拳
https://www.youtube.com/watch?v=XLIwsianBJ0パオラ・ピタゴラの美しさ。「このテーブル、木製ですかね?」の童貞感(201...
2014-10-14 17:24
ダルデンヌ兄弟の新作『午後8時の訪問者』が公開されることを知らなかった
期待の映画が続々と公開される2017年、不覚にも知らなかった。ダルデンヌ兄弟の新作が公開されることを…。実はダルデンヌ兄弟の作品を映画館で観たことがないので、今...
2017-02-23 16:09