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家の前で昼過ぎからお祭りがあったので、なるべく早めに仕事を片付けようと頑張る。18時過ぎにひとまず一段落したので、家族で流していると山のような雨雲が。さっさといくつかおかずを買って家に帰ると、後を追うように土砂降り。新宿とか、市ヶ谷とか、すごかったらしいですね。夕食を済ませたら少し仕事に戻り、そのまま歌詞を書いていた。


ロジェ・ヴァディムのことをすっごく軽く見ている節があり、冷静に考えてみると、「付き合った女で映画を撮る」という信じられないぐらい浮ついたことばっかやってるからだろうと思う。ブリジット・バルドーを主演に撮った『素直な悪女』もそれ(本作を撮る直前に両親の反対を押し切って結婚という二人の顛末は、脚本にも影響を与えているのかも)。貧乏な三兄弟の次男が、結婚に反対する自分の両親を説得する背後で、とにかく奔放すぎるジュリエット(ブリジット・バルドー)は、まるで他人事のようにダラっと椅子に腰掛けて、開いた蝙蝠傘を揺らしている。その惚け方は、まるで不恰好に脚を曲げて立っている少女が映り込んだ別のシーンの様子に似ている。この映り込みはアクシデントなのかなと思っていたら、その少女は直後にジュリエットの働く本屋に現れたりするから、ある程度意図的なものだったのだろう。なんとも、不思議な奔放さが、浮世離れしすぎていて幽霊のようにすら見えている。

男からは肉欲の対象としてしか見られず、旧弊な女からは蛇蝎のごとく嫌われる。世間一般からは完全に浮いていて、他人を利用したり利用されたりする中にしか、現実との接点を見出すことの出来ない女性の孤独さがずーっと付きまとっている。「友だちが欲しい」と口癖のようにひとりごちると、ハンドリングが効かない現実から逃亡するようにバーに赴き、黒人のリズムに忘我して踊り続けるラストシーンは鮮烈である。やっぱりイケ好かないが、色の鮮明さや、横広なスクリーンで見たくなる構図も含めて、ロジェ・ヴァディムの映画はもっと観てみたくなった。

MCATM

@mcatm

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