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休みなれど休みに非ず、という雰囲気の有休火曜日。長めに飯食ってたのと、午後にむすこを眼科連れて行ったこと以外は、普通の忙しい平日だった。人が足りないので仕方がない。


U-Nextで『タワーリング・インフェルノ』を視聴。『ダイ・ハード』に大変な思い入れがあるので、「高い」「閉塞した」空間でのパニックスリラーの先駆として、いつか観なければいけないと心に決めていた一本。70年代に「キャプテン・アメリカ」を撮っていたら絶対スティーブ・ロジャース役だったと確信しているポール・ニューマンと、止まってると擬人化した犬みたいなおっさんだなとか思うのに、動き出したら色気が凄すぎて卒倒しそうになるスティーブ・マックイーンのダブル主演。ずさんな計画と緊張感のなさ、下請けいじめと中抜きによって脆弱となった超高層ビルの竣工式当日、コストカットのために粗悪な部品を使った配電周りから出火。気がついた頃には大火事になり、最上階で行われていたパーティー参加者たちが閉じ込められてしまう。

そもそも、このビルの設計者であるポール・ニューマン自身が、肝心な時に「砂漠(砂漠、とは?)」に行っていて大して現場を監督もしておらず、たまに出社したかと思えば奥の部屋に女を連れ込んでガッツリいちゃついているもんだから、後々眉間に皺寄せて身体張ったところで鼻白むなーとか思っていたんだけど、本人も一連の行動を重大な過失として責任を感じており(まあ、イチャイチャについてはスルーしてたけど)、そうなるとダブル主演の片方にこの大事故の責任があるという状況はなかなか面白いな、と思いながら観ていた。この「責任」を感じなければいけない立場の登場人物は三人いて、それぞれが全く違う行動を選択するのが人間っぽくて面白い。

逆に、マックイーンを中心に、消防士たちはまごうことなき「ヒーロー」として描かれている。その分、実録ものっぽい雰囲気すら出ているのも、こちらはこちらで面白い。

ガス爆発で吹っ飛ぶ階段をアクロバティックに降りたり、カップルが火だるまになったり、エレベーターから炎に包まれた女性が落下したりと、スペクタクル映像の迫力には事欠かない。これ、実際に火を着けて撮影したっつうんだからすげえ時代だ。今では絶対できねえよな、これは、トム・クルーズ以外には…って思いました。

『ダイ・ハード』との比較で言うと、もう直系で影響受けてる、という以上に、これを下敷きにして「もっと面白くするには」と考えたアップグレード版なんだろうなーと想像。これにテロリストを加えたら、そら面白くなりますよ。

MCATM

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