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健康診断当日。バッチバチに決め込んで会場に向かうも、惨敗。惨敗中の惨敗。生活指導の先生と対話。ここから三ヶ月、集中して生活改善することを誓う。しかし、運動もしてるし、酒もあんまり飲まないし、規則正しく生きてるのになー。となるとあれですよあれ、甘味。甘味ですよ。

野矢茂樹『言語哲学がはじまる』

雨も降ってて仕事も若干遅くなったので映画も観れない時間。永田町から三軒茶屋、世田谷線に揺られる間、途中まで読んでいた野矢茂樹さんの『言語哲学がはじまる』を再開すると止まらなくなってしまった。そのまま月見湯に行って、脱衣所や待合室でも読みふけって、そのまま読書に最適な鳥貴族でガブガブと呑みながら一気に読了した。こんなことをやってるから一向に痩せない。

「明らかに」と書いてあるのにぜんぜん明らかじゃないというのはよくある話ですが、これは明らかにぜんぜん明らかではありません。

ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』の5・542「しかし、明らかに「Aはpと信じている」、「Aはpと考える」、「Aはpと語る」は、もとをたどれば「「p」はpと語る」という形式になる」という箇所に、こんな華麗なツッコミ。フレーゲ、バートランド・ラッセル、ウィトゲンシュタインという三大巨人を扱った言語哲学の書に、この軽妙な笑いのセンスを注入してくる68歳のおじいちゃん…。

「言語は如何に成立しているのか」という、簡単そうが故にめちゃくちゃ深遠な謎について、万事こんな感じの軽やかさで説明したかと思えば、展開はまるでミステリー。「語の意味がわかれば、文の意味はわかる」とする「要素主義」が否定されると、フレーゲの提唱する「文脈主義」、ラッセルの混沌とした思想変遷から、本丸ウィトゲンシュタインの『論考』まで、今、理解したことが直後にひっくり返される連続。まるでどんでん返し。クリフハンガーのような展開に思わず熱くなってしまう。

「確かに面白いが何の役にも立たない」学問としての「言語哲学」が、如何に思考をクリアにするか。実際に少しずつ読み解いていく過程で、自分の思考もアップデートされたような感覚があって、かなりの名著だと思いました。

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俺たちの大好きな菅生大将が登場するところも胸熱だよっ!

MCATM

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