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強烈に忙しくて仕事以外のことはあまり上手く進められないままでいる。

ウディ・アレン『教授のおかしな妄想殺人』ホアキン・フェニックスエマ・ストーンの共演作。降板騒動とかで風当たりが強くなってるホアキンだが、先日観た『ザ・マスター』も含めて、信じられないほど演技が上手く、俺の中での評価は変わらずグングンと上がっている。完全に厭世に堕して希死念慮の塊と化している哲学教授・エイブが、「世直しのための」殺人を妄想することで人生を取り戻すという話で、プロットが既に勝利。

で、一枚皮をめくると、実存主義哲学の世界で名をなしているエイブの講義が、そのまま彼の殺人に対する熱望に対する視点を提供していることに気が付く。冒頭でこれみよがしに丁寧な説明を加えるカントの「嘘が存在し得ない純粋世界」や、キルケゴールが説明した絶望という「死に至る病」を「キリスト教信者」であったことを理由に、すがるものの何もない自分とは異なると考えたこと。これらは、殺人という行為を鏡面に反転して、エイブの脳内世界を説明している。

原題が『Irrational Man(非合理的な男)』で、メインビジュアルも弱く、完全に日本版の方が魅力的に見える作品だなーと思った。この頃のエマ・ストーンは、若さもあって異様な輝きを見せている。

MCATM

@mcatm

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