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春休みが終わり、新学期が始まったので、むすこが一向に興味を示さなかった『バッド・キッズ 隠秘之罪』の視聴を再開する。2話目。『ゴールドボーイ』は観ているから、話の流れは知っているはずなのに、あまりに改変されているので、ほぼ初見の感覚。2話目のラストは、『ゴールドボーイ』でも重要な挿話として語られるから裏側把握しているはずなのに、シチュエーションが違いすぎるので目が飛び出た。一方で、この物語を二時間に脚色してみせた『ゴールドボーイ』の凄まじさにも驚愕してる。話の端折り方が巧すぎる。比較して話せる人、誰か…。


オードリーのラジオで当時の話は(当然)聴いていた『笑いのカイブツ』を下高井戸シネマで。引き込まれてしまった。「伝説の」ハガキ職人=ツチヤタカユキが、オードリー若林くんに見出され、大阪から上京して見習い作家としてのキャリアをスタートさせるも、「人間関係不得意」と書き残して失踪する話、として認識していた(実際はちょっと記憶違いだったんだけど)ので、その全貌がツチヤ側から語られる面白さみたいなものを期待して、その期待通りのものが返ってきた。日本映画の役者はどこからこんなに粒ぞろいになったんだ…と恐ろしくなるほど、仕事の質が高すぎる。主演の岡山天音は勿論(「勿論」で片付けるのは申し訳ないほど)素晴らしい熱演とバランス感覚(その場しのぎの絶叫とかなし)で、彼を観ているだけで十分。しかしながら、共演陣がみな見事で、各シーンでサブキャラクターが主演を喰らうぐらいの演技を見せる。松本穂香とか、菅田将暉とか、本当に驚かされた。

オードリーは「ベーコンズ」という名義で出てくるんだけど、仲野太賀が若林くんにしか見えないし、板橋駿谷は発声まで春日に寄せてる。で、仲野太賀の隣にいる人が、メガネで作家で「元芸人」と紹介され、「今もやってるよ!」とツッコミを入れるというサトミツっぷり。途中から、「若林ーーー!」「サトミツーーー!」って、なってしまいましたわ。あんまサトミツに酷いこと言わないで欲しい!って思いました。

「この役者陣の素晴らしさを十分に活かすための環境づくりに徹したのかな、それは正解過ぎるな、監督」って思っていたんだけど、終演後のトークで、それは結果的にそうなっただけなのかな、臨機応変で、それは正解過ぎるな、監督。って思いました。傑作です。

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