Post

台風の予定あり、ということで、一日前倒しで妻とむすこが帰ってきた。嬉しくて色々喋り倒してしまう。休み中に考えていた「ジッタリンジンはなんだかんだで印税入ってきているのではないか」という話を妻にすると、背景情報込みで色々教えてくれて(ファンなので)、自分の下衆さに嫌気が差した。ただ、こういう構図(よく知らない人が憶測でものを言う恥ずかしい場面)って昨今よく目にしますよね。自省。


齢40を超えて、ようやく片付けの極意がわかった。とにかく何も考えず10分、立ち上がって目についたところを片付けてみる。気がついたら、10分がとても短く感じている。

映画を観て、映画を観て、映画を観ていると、さすがに疲れてきて、気分転換のためにアクション映画を観ている…ということに気がついた(なんと素晴らしい人生)。痴呆症になった殺し屋が、限界を感じながらターゲットのところに赴くと、そこに居たのが13歳の少女。「俺は子どもは殺さない!」と職務放棄すると、別の誰かが代わりに職務遂行していて怒髪天…という、リーアム・兄さん主演の『MEMORY メモリー』「殺し屋が痴呆症」という設定の時点でノーベル・アクション映画賞ノミネート決定なんだけど、世間一般はもう「リーアム兄さんが殺し屋」な時点でお腹いっぱい半笑い(そんな気配を映画館で予告が流れる中感じてた)。俺は猛烈に異議を申し立てたい。本作はノーベル・アクション映画賞だし、兄さんはノーベル・アクションスター賞候補なんですって!

FBI捜査官役がガイ・ピアースなのも何かの目配せ(ガイ・ピアースが画面に映ると画が安くなる。チャック・ノリスと一緒)。片っ端から物事を忘れていく『メメント』的な展開になるのかと思いきや、実際には物語の比重は「児童売春組織を運営する白人支配者層の人外っぷり」に傾いていく。年老いたジョン・ウィック風情で、とにかく強いリーアム兄さんだが、要所要所で病気が足を引っ張るのでこちらも気が抜けない。殺し屋なんだけど、「がんばれー!」とほだされてしまうだけではなく、彼を追うFBIや、支配者層の奴隷と化している現地警察の視点もあるので、「正義」を巡る事態は複雑。

黒幕の正体が序盤からわりとあけすけなので、中途になってくると、あまりのストレートさが退屈を誘ってくるのだが、恐るるなかれ。物語が「本当の「闇」はどこにあるのか」という問題から、「如何にして「正義」を遂行するのか」という問題にフォーカスし出すと、視点がリーアム兄さんからFBIのチームに横滑りしてくる。その中で、ガイ・ピアースの持ち出す「轢き殺された母親と、それにすがって殺される息子」という「果たされなかった正義」の構図が、ぼんやりと黒幕親子の関係に重なっていき、この物語の終着が単なる復讐譚に終わらない予感を漂わせるのだ。


余談だが、ガイ・ピアースの勝気な部下を演じてたTaj Atwalが良い感じでした。男性同士のバディものとの区別をあえて意識していないような演出に、新しさを感じた。監督は『007 カジノ・ロワイヤル』のマーティン・キャンベル。俺はジャッキー・チェンの『ザ・フォーリナー/復讐者』が好きで、「ご老体アクション」の専門家になっていくのかしら。

MCATM

@mcatm

もっと読む