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昨日は『チャイコフスキーの妻』、今日は『ナミビアの砂漠』を観た。両方とも大変満足しましたので、ちゃんと記事書きたいと思ってます。改めて、映画館って贅沢空間だよなー!

調子に乗って、そのまま『10人の泥棒たち』と、YouTubeで2週間限定公開されている『REX 恐竜物語』を観た。予想した通り、『10人の泥棒たち』はとんでもなく豪華な俳優陣に支えられた立派な映画だった。『哀しき獣』の最強人間=キム・ユンソク、『密輸1970』まで意外と観たことなかったキム・ヘス。『イカゲーム』より大分前のイ・ジョンジェはキム・ユンソクにも負けず劣らず色気がある。香港チームにサイモン・ヤムが出てるのもすげえよな。あと、すげえちょい役でシン・ハギュンが出てる。そんだけで立ちくらみするぐらい豪華。内容はとにかくエンターテイメント映画としてよく出来ていて、特にビルの側面を使ったアクションには驚かされた。楽しい一本。

『REX 恐竜物語』はすげえね。1990年代の日本の作劇をすごく舐めていた。序盤で、恐竜REXの母親としての自覚を持った安達祐実が、その関係を通して、自分を捨てた母親(大竹しのぶ)との葛藤を乗り越えていくような展開を作り上げていく意図は感じる。感じるんだけど、その成立は、演出のどうしようもなさと、ビジネス的な諸事情によって後退させられ、結果、グロテスクさを消臭しきれなかったクリーチャーと、実際のCM撮影現場が映し出されるなどの経済活動と、履き違えられたエンターテイメント的ドタバタが続く凄惨な光景が繰り広げられる。そもそも、研究者として成功する夢を持つ母親が、NYの大学からのオファーを受けたことを、「娘を捨てた」と当人はともかく周りの大人が一方的に断罪するのも乱暴な話ではある。そうした荒野を乗り越えて、今の邦画の充実があるのは、立派に努力し続けた人々の屍の山によって支えられているのだ、ということを再確認するために観る。

MCATM

@mcatm

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