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今日もまた猛烈に仕事が進んだので意気揚々と下高井戸シネマに『ソイレント・グリーン』を観に行き、月見湯で締め。締め、と行っても、家に帰ってこれを書いてから、粛々とサウンドコラージュを作り続けるのだけれども。AIの想像している架空のミュージック・コンクレート聞いてみたい。

流石に古さは隠し切れないが、今見てもゴリゴリに面白いディストピア描写が出てきてワクワクする。このポスターにある暴動鎮圧シーンなんてまさにそうで、暴動鎮圧するのにブルドーザーで人海すくい上げるなんて、想像しているより大分荒んでて素晴らしい。フライシャーはこういう過剰な描写に作家性が見える(と言っても数本しか観てない)。ケレン味とリアルさが良いバランスで同居している。

ところで、SFって、こういう「なんか今我々のいるこの世界とあんまり変わらねえなあ」と思わせて、ちょっとしたところでギョッとするぐらい異質な描写、そしてその異質さは、過剰であればあるほど良い、そんな描写が挟み込まれると、良い作品になると思いません?(と、言いつつ、1から10まで異常な酉島伝法とか『ファンタスティック・プラネット』みたいのも魅力的ではありますが…)『ソイレント・グリーン』では、冒頭に殺害される部屋にいた麗しき女性が、主人公の刑事・ソーン(チャールトン・ヘストン)から「家具、か」って言われたり、同居人の老人のことを「お前の部屋にいる本」って呼ばれたりする描写が、かなりドッキリしましたね。地に足の着いた奴隷制というか。豪奢な家で暮らす富裕層と、主人公のような貧乏人の生活に貧富の差を感じていたら、貧乏人の住むアパートの廊下に山のようになって眠る人々というさらに下層の人々がいて驚愕する、みたいな世界が。

MCATM

@mcatm

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