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むすこの塾で吉祥寺まで行く用事があったので、ついでに次のライブ会場をチラ見してきた。洒落た店でちょいビビる。一階のカフェで自家製レモネードを買って、井の頭公園を散歩。この辺は好きな地域。ジュンク堂まで戻って、背筋さんの新作二冊とデザインシステム本を買う。


原村とリモートで繋ぎ、楽しい計画のことについて話す。俺たちが考えていることが上手く伝わってよかった。美味い担々麺を作って、むすこと『イコライザー2』を観ながら食べる。

夜はマイケル・ケイン主演『アルフィー』を観る。出てくる女性を片っ端から食いまくるプレイボーイにして人でなしのアルフィー。新自由主義を先取りしたような男で、お前も自由だが俺も自由なのだが、どっちかと言うと俺の自由の方が大事、というようなタイプ。付き合ってる女性が妊娠をしてしまい、養子に出すというので産むのを許可する(まあ、自由だし…)と、産まれたら産まれたで女性は手放すのを拒否する。困ったなあ、と思いつつ、なんとなく子どものことも好きになってしまったアルフィーだったが、相手は改めて別の実直な男性と結婚するというので「面倒くさい」が勝利して、息子とも母親とも疎遠に。

そんなこんなでフラフラと色んな女性と浮き名を流す人非人が、少しだけ見せてしまう「柔らかい部分」。息子が可愛くてクマのぬいぐるみを買ってあげたり、サナトリウムに入院中に出来た友達に、退院後わざわざ会いに行ったりするような、ちょっとだけ優しい部分。酷い行いの報いを受ける時、彼のその柔らかい部分が刺激されて、冷静に客観性とシニシズムを失わないように振る舞う彼が、思わず慟哭してしまう瞬間の悲惨さ。自業自得の末に、自分が何も持っていないことに気づいてしまう彼は、しかしかろうじて持っていた柔らかい部分のおかげで、少しの希望も見出す。単なるラブコメでは終わらない、冷ややかな現実を突きつけてくる良作。

MCATM

@mcatm

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