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朝のお勤めが終わったら、アメトーーク『マンガ大好き芸人』を観てから家を飛び出してオフィスに向かう。今、「キャップがムジョルニアを掴んだ時」のようなあの感覚をもう一度味わうには…?と考えた時に、これは「『ワンピース』の最終回を皆で迎える」にベットするのが良いかも、と思ったので、『ワンピース』を読みまくってる(現在72巻ぐらい)けど、基本的にはマンガ読むの下手。なんでだろ、と思ったんだけど、俺が芸術を浴びているのって最終的に自分の音楽に落とし込むのが目的だからかも、って思った。音楽から一番遠い、マンガが。

帰り道でルカ・グァダニーノ『チャレンジャーズ』。これまた破格の面白さで、見事に眠気が飛んだ。あまりに綺麗な結末に興奮したが、同時に人の心が面白さの奴隷になっているところが引っかかってしまった(あと、洋画で久しぶりにエンドロールの曲がダセえと思ってしまった。劇伴が素晴らしい映画なだけに、残念)。繊細なバランスで続く綱渡りの途中で、二回ぐらい足を踏み外したぐらいの危うさはある。けど、それだけ面白いということだから、しゃあねえな。面白ければなんでもいいとまでは言わないが、面白くないよりは面白いほうがいいよね。

「I Told Ya(言ったよね?)」というTシャツの持つ力場が、タシからパトリック、パトリックからタシへと移譲するように、タシ〜パトリック〜アートの三人が持つ力場は目まぐるしくバランスを変えていく。丁度、出会いのキスのように。「Tomorrow(明日)」という文言を至るところで背後に従えながら、タシとパトリックは未来を志向していくが、「タシのファン」であるアートは過去や終末を指向する。だからこそ、タシはどのような未来を選択するのか…という物語に一つの結論を見出すことが出来るはずなのに、ラリーは不自然なほど長く続いていく。結局、コートの上で続く三人の押し問答、ある意味どのように終わっても納得出来ないはずの押し問答が、見事な結末を迎えた時に興奮してしまったのだろう。

カメラワークや音楽でここまで反則スレスレのことをやっておいて、数度の足踏み外しで収まったのは立派。ミア・ゴス、アニャ・テイラー=ジョイと並べて称したいゼンデイヤの化け物じみたルックの良さにもやられたが、初見のジョシュ・オコナーの色気にも。俺はああ言う感じになりたいです。傑作。

MCATM

@mcatm

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