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健康診断以来、平日昼間は自分で料理するようになった。妻も週の前半は出勤しているので、心持ちの変化もあり、ちゃかちゃかと何でもこなすようになって心地よいが、この「気分」がいつまで続くかわからないのであまり調子に乗らないこと。今日は4〜5件コードレビューして、明日公開予定のコードをまとめ、リファインメント準備してから、面接を三件こなした。


下高井戸シネマで『現代アメリカン・アヴァンガルド傑作選2024』から、Christopher Harris『STILL/HERE』。セントルイスの荒廃した風景が切り取られて、永遠に続くかの如き静寂。

パッと見、何がやりたいのかさっぱりわからないのだが、後半になるにつれて、ぼんやりと輪郭が見えてくる。かつてこの地にあった生活の亡霊を呼び起こすような、そんな意思のある映像。「記憶の夢の記憶」の中で、父のいびきを聞く女の話が印象的。「この街で、夜は呼吸の仕方を学んだのかもしれない」。かつて生きたセントルイスに帰って来るという物語が、崩壊する建物の床と床の間(階=Story)と、外界と外界をつなぐ建築物(=Return)と呼応している。


冒頭から抜群に良いルイ・マル『好奇心』ビバップに熱狂し、『墓に唾をかけろ』を読む少年。チャーリー・パーカーが鳴る映画は良いというのが相場だが、現代だとこの革命的なフィーリングは誰が主導しているのだろうか。90年代はニルヴァーナがそうだったし、00年代は例えばエイフェックス・ツインとか?フランク・オーシャンとかかな?どうだろうか。

母親に恋慕の情を持つ少年が、思春期を経て大人の階段を登る話で、「近親相姦もの」と言ってしまうと、その隙間に隠された繊細な感情がこぼれ落ちてしまう。夫との冷めた関係から、男を取っ替え引っ替え恋愛体質にある母親に対する、嫉妬や失望や羨望が入り混じった感情を内に抱えたまま、その本当の感情に蓋をするように子供らしい振る舞いをことごとく踏み外していく主人公。その割にはあっけらかんと乾いた語り口が、ちょっと呆気にとられるようなラストシーンの「何でもなさ」に帰結していくのだ。

MCATM

@mcatm

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