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「酔っ払い」でも「道中」でもあるんだけど、些か「酔っ払い道中」とは言い切りかねる映画『ジャヌスとサムの酔っ払い道中』。MyFFF 2024より。

ジャヌスとサムは親友同士(何故この二人が親友であったのかがよくわからなかったのが、この映画の最大の欠点であるような気がする)。ジャヌスは、周りより少し頭が良く、しかしいつも呆けてて、モテからは程遠い雰囲気。サムは、すっごくしっかりと太った女の子で、地元の農家の娘。サムはこの日々は永遠に続くことを疑いもしないが、ジャヌスはパリの大学に合格していて、明日から引越し先を探しに行く段階。

この二人の暮らす村は酔っ払いだらけで、飲酒運転による事故も少なくないことから、村長であるジャヌスの母は飲酒の取り締まりを強化している。その裏には、彼女の酒浸りの夫が酒で命を落とすという過去があり、そのトラウマもあってジャヌスは酒を毛嫌いしている。ここに「酒」と「卒業」を巡る力学が構成されていて、その力場においてサムもジャヌスも動いている。そういう物理的なストーリーテリングは、伏線や仕込みが機能しやすくて、大変スマートな作りのコメディだなと思いました。


街裏ぴんくルシファー吉岡の出演する『TOKYO SPEAK EASY』を聴いた。探り探りで意外と距離のある滑り出しだったんだけど、興が乗ってくると、SNSでの評価、特に街裏ぴんくが「大声でどなってばかりのつまらない芸人である」という低評価を受けていること、そして吉住のデモのネタが軽く炎上していることに関して、二人が見解を述べる興味深いラジオ。しかし、ルシファー吉岡さんが、ここまでジェントルで丁寧な話し方をする人だということを全く知らなかったので、軽く衝撃を受けました。「下ネタを言いたいわけじゃない」ということを、極めて紳士的に語っていた。

MCATM

@mcatm

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