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レイモンド・カーヴァー『頼むから静かにしてくれ』の後編を読む。冒頭の「他人の身になってみること」からもう死にそうになってるんだけど、「嘘つき(Why Henry?)」なんて、もうほぼ『少年は残酷な弓を射る』じゃねえか、怖すぎる。今更、この人は俺のフェイバリット作家になるかもしれない。面白すぎるし、後編はほとんどホラー。どうしても原書が読みたいと思ったので、紀伊国屋で発見した『What We Talk About When We Talk About Love』は速攻買ってしまった。俺が詩作でやりたい世界って、こういうことだと思う(もしくは、ロブ=グリエ)。

今日は朝から新宿で『枯れ葉』『緑の夜』。そのまま下高井戸に戻ってゴダール『軽蔑』イ・チャンドン『グリーンフィッシュ』。イ・チャンドン、カウリスマキの安定、というかしっかりとしたエンターティメント映画には安心感を抱きつつも、今日は『緑の夜』が掘り出しモノだった。冒頭から散りばめられた符牒が、きちんと解決していく丁寧な作品。抑圧された女性の解放を目指す物語でありながら、花火のタトゥーが目に入った時点から運命は走り出しているのだな、と納得。美人だがつまらないファン・ビンビンの「つまらなさ」が作劇の中で機能していた。

MCATM

@mcatm

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