Seeds

  • 去年のベストPVの一つですね。白黒の映像に、本人がここまでハマるともう太刀打ちできない…って思うんですけど、なんか猛烈に良い曲を書きたくなる…。そんな曲でもあります。

    MusicStranger in the AlpsDead Oceans

    mcatm2018-06-13 19:18

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  • ルカ・グァダニーノによる新作公開が楽しみなので、ダリオ・アルジェント版をチェック。聞きしに勝る快作だった。まさに「色彩の暴力!」って感じでクラクラするのと、全編を貫くゴブリンの怪演奏!!アルジェントの映画でも際立った一本だと思った。

    https://www.amazon.co.jp/%E3%82%…

    で、改めてティザー観ると、アルジェント版と一致する場面がほとんどなく、これはこれでどうなるんだろうな…とワクワク。なんでレフンじゃなくて、グァダニーノなんだろう、って思ってたんだけど、これはこれで興味深いじゃん。絶対観る。

    mcatm2018-06-09 10:37

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  • SM新作のティザー映像。先行カットの「Middle America」聞く限り、今回のはかなり期待出来ると久々に思ってたんだけど、このタイミングでこの謎の映像。

    しかしながら、正直かなりセンス良いと思って、更に期待高まった。こんなモンティパイソンみたいなセンスしてたっけ?まあ、待ちます。待ちますよ。

    Digital Music TrackMiddle AmericaMatador

    mcatm2018-05-20 01:42

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  • この前発表になった、Nintendo Switch Onlineでファミコンが遊べる件でもそうですが、こういう時のラインナップって最大公約数的なソフトが選ばれることが多く、それだけで食指が動かないことも少なくないんですけど、これ。普段あんまり選ばれることのない、ジャンプ縛りのソフトばっか。正直駄作も多いんですけど、ちょっと気になってしまいますわ…。(あと、なんで『北斗の拳』は「2」が収録されていないのか)

    任天堂ホームページニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン| 任天堂「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン」の公式サイトです。…

    mcatm2018-05-14 13:41

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  • Fazerdaze - Lucky Girl

    2018-05-10 11:02

    90年代後期のシンセ導入してコズミック感乗せてた頃のギタポっぽいっつうか、ほぼ疾走感しかなくて最高なFazerdazeですけど、このビデオ、センスが良いですね。ぶつ切りクローズアップの乱れ打ちで、謎の感覚に襲われる。『去年マリエンバートで』っぽいなんて的はずれな感想が浮かんだ。これは映像込みで楽しみたい。

    DVD去年マリエンバートで [Blu-ray]ジェネオン・ユニバーサル

    mcatm2018-05-10 11:02

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  • 「女性SSW」で検索したら、「雨後のたけのこ」ってサジェストされそうな昨今ですが、めげずに掘り続ける所存。このSibille Attar、スウェーデンの人みたいなんですが、手数の多いドラムブレイクにこの歌。ちょっとウォール・オブ・サウンドも想起したりして、Lily Allen色々迷ってなかったらこういう風になってて欲しかったなー、が実現しています。裏拍入れると腰が動くこと発見した人って偉大ですね。名曲!

    mcatm2018-05-09 15:47

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  • 少女はめざめる。自らの内にある「食人嗜好」に、である…。ガハハハハ。

    粗暴な制度と艶かしくも爛れた性、そして数多くの「死」に囲まれた寮生活というゴリッゴリにストレスフルな環境で、食人の誘惑に苛まれていく少女の物語…。これだけ聞くと、「奇天烈さを狙ったカニバリズムもの」なんていう、超安易な企画を想像してしまうが、そうさせないのは作家の力。要は、「そこに行き着くまで」をどのように描くか、が肝でしょう。

    傍若無人な先輩との上下関係に見られるような階級制度的な抑圧、優等生としての立場と教授との軋轢、性的な抑圧、そして動物の生と死を扱い、食人に染まっていく罪の意識。こうしたストレスが丁寧に丁寧に積み重ねられていき、ちょっとした弾みでマグマのように表出してしまう怖さ。入学オリエンとか寮内行事とかで、ペンキやら豚の血(妄想)をぶっかけられたり、イニシエーション気取って生のうさぎの臓物食わされるような学校、俺はすっごい嫌だ。それが象徴的に表現されたパーティーでの衆人環視で行われる「食人パフォーマンス」と、雪だるま式に膨れたストレスがほとんど爆弾のように投げつけられるクライマックスが圧倒的である。

    初めて食人に手を出す「指」のシーンなど、カニバリズムを取り扱う映画では絶対に描かれなければいけない「食人シーン」を、丁寧に真正面から描いたのは本当に好感持てる。強烈な発疹に身悶え、掻きむしり、得体の知れぬストレスの表出として髪の毛を無限に吐き出す悪夢など、生理的に訴えかけるフレンチホラー風味の演出を駆使しながら、なんとも言い難いジャンルの映画を撮ったJulia Ducournau監督の手腕(なんと、クローネンバーグにすら似てない)。ちょっと恐怖趣味に走るとホラー、気取ればアート映画、と針が一気に触れちゃいそうなところを、良い塩梅で「奇妙な、どこにも属さない」映画を撮ったもんだなあと、感心する。パスカル・ロジェ『マーターズ』とか、『ハイテンション』みたいなものを想像すると、ちょっと裏切られるかも。音楽だけ切り取っても、良質なノイズミュージックとして聴けるレベルなんじゃないだろうか(ただ、切り取り方がギクシャクして、時間が止まってしまったように聴こえたところもあり、そこは勿体なかった)。

    主人公のGarance Marillierは、全体的に文字通り身体張った演技を見せてて、その底知れぬ魅力がこの映画の質を底上げしていると思う。終盤のクラブシーンで大股開き目をギラつかせる描写、あれは狂気通り越してほとんどギャグに近いところにあった。あれだけ悪夢的な光景を描いておいて、意外と夢オチが少ない。ラストの諦念溢れる、超覚醒した視点が一番怖かったわ。

    mcatm2018-02-11 11:14

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  • 失意の母が動く。実の娘を暴行の末に殺害した犯人を未だに逮捕出来ないでいる地元警察に業を煮やし、その署長を激しく非難する三枚の広告板を立てたことに端を発する騒動が、この物語の核である。

    単にそれだけの発端が、斜め上の展開を芋づる式に引き寄せ、あれよあれよという間によくわからない方向に上滑りした結論にたどり着いたので、画面が暗転し、スタッフロールが流れ始めた時には顎が外れたかと思うぐらい仰天した。「今年初の俺デミー脚本賞!」と興奮したが、巷でも何やらオスカー確実だとか、まあそれも納得の凄い脚本(個人的には、『ザ・ギフト』を思い出しました)。ネタを割ったからといってどうなる映画でもないが、そうした「驚き」も映画の価値の一部なので、それ以上のことはここには記さないでおく。

    監督はマーティン・マクドナー。全く知らなかったんですが、前作『セブン・サイコパス』はずっと気になっていた。「スランプの脚本家が7人のサイコパスを集めて脚本を書く」って、それだけ聞くと大体どんな話か想像付くものだが、これもその想像の範疇を遥かに超えたところで展開する物語が非常にスリリングな怪作(完成度は『スリー・ビルボード』に遥かに劣るけど…)。今なら、Netflixで観れます。

    DVDセブン・サイコパス Blu-rayTCエンタテインメント

    アンドレイ・ズビャギンツェフ『裁かれるは善人のみ』のようなシリアス胸糞映画かと思いきや、意外なことに全体的にブラックユーモアで強力にシュガーコーティングされており、サスペンスによる物語推進力も相まって、単純なエンターテインメントとして飽きずに楽しめる。巧みなのは、画面後方や端の方、または一瞬差し込まれる細かなカットで物語の仔細を悟らせるその語り口。一見コミカルな物語が展開している横で、別の世界が口を開けていたりする。例えば、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(大好き)演じる広告マン=レッドと、そのアシスタントの女性の関係は、時折差し込まれる窓越しのショットからしかほぼ描かれない。サム・ロックウェルと主人公フランシス・マクドーマンドが喧嘩腰で長々とやり取りしている背後でも、警官たちは直接関係しないような情報を絶えず提供している。言葉やシーンで説明されているわけではない、そうしたディテールが、物語の理解の一助になっている。そこには、地方都市特有の、差別意識や暴力、無理解や偏見があり、それらが時には荒々しく、時には思ってもいなかった形でポロッと顕現してしまう。魅力的なキャラクターが作者の手を離れて動き出している、その豊かさからにじみ出る「物語の奥行き」を体験する楽しさが、この映画の面白さの核の一つだと思った。

    リンチが監督しなかった『ツインピークス』のような、不可思議さとシリアスさ、ユーモアと醒めた目線、「喜怒哀楽」の全てが詰まった傑作だった。この奇妙な物語が、最終的にどこに落ち着くのか。ありきたりなストーリーテリングから遠く離れたところにある、その着地点を確かめるため、映画館に走ったとしても決して損はしないと思いますよ。

    mcatm2018-02-06 02:54

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  • あまりに90年代の香りが強すぎるのが玉に瑕なんすけど、良いよね。Anna Burchのファーストアルバム『Quit the Curse』より、アップテンポな一曲。アルバムもメロが人懐っこい感じで脳内ループしてしまうタイプのギターロックで、オススメっす。

    MusicQuit the CurseIMPORTS

    mcatm2018-02-03 03:44

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  • 南瓜とマヨネーズ

    2018-02-02 00:37

    大昔、稲田堤に住んでいた頃、間違って終電間際の京王線の車中で読んで泣いた。以来、漫画をあまり読まない俺にとって困ったことに思い出深い一冊となってしまった、魚喃キリコ『南瓜とマヨネーズ』。(俺は岡崎京子『リバーズ・エッジ』でも同様の号泣事件やってて、どっちが京王線の車中だったか忘れてしまった。まあいいんですよ)

    eBooks南瓜とマヨネーズ (FEEL COMICS)祥伝社

    映像化するのは冨永昌敬監督。あの『亀虫』の人ですよ!というところから若干アップデートされていない情報を片手に映画館。何で泣いたのかも忘れてしまうぐらい遠い昔のことで、この映像化が原作に忠実なのかもちょっと曖昧なんだけど(確か、売春バレるシーン、原作ではもっと後ですよね)、相変わらずベロベロ泣けたし、相変わらず何で泣けたのかよくわからない、っていうのが特徴的なのかも。目の前で行われてるのは、セコくて、超小さい話なのに、何か大仏の手に鷲掴みにされているような、自分がコントロールできない感覚に襲われる作劇なのだ。

    おそらく、目には見えないような小さな積み重ねがあったのだと思う。いくつかの別れがあり、いくつかの挫折がそこにある。それに加えて、ごくごくささやかで、将来のこともよくわからない、でも確かな「再生」の光があって、そのカタルシスに心揺り動かされるのかもしれない。しかし、被支配者の弱みだね、これについてはちょっと降参だ。

    登場人物は、みなちょっとずつ嫌な奴で、みなちょっとずつ良い奴。なんでもない景色や、必要以上の「平凡」を提示することで無理矢理勝ち取った「普通」ではなくて、「幸せ」と「不幸せ」の間でグラグラとバランス取りながら、不安定な「普通」を見せるやり方、ちょっと乱暴だが面白いアプローチだと思う。リニアなのではなく、全て力関係のバランスの中で成立する「普通」。

    「親の七光」から最も遠いところにいる二世役者(というか、俺は中野英雄を軽視しすぎなのかもしれない)=大賀の実力や、何らかの天罰が下り、どうしようもなくハゲ散らかしてくれたら溜飲も下がるだろうにと感じざるを得ないハギオを演じるオダギリジョーの説得力。そして、何と言っても、臼田あさ美。実在感は役者がみんな保証してくれるこの安心感。

    特に印象深かったのは立ち飲み屋での別れのシーン。「自ら別れを切り出す」ことでマウントを取ろうとするツチダに対して、「俺はいいよ」と取り付く島もない。執着もないので、その地獄の時間をつまらなそうに切り上げるための「ビール、キャンセルで」。のらりくらりとペースを掴み始めたタイミングで再注文されるビール。ビール瓶の往復が、激しい心理的駆け引きを暗示している。キリキリするような緊張感が、臼田あさ美とオダギリジョーの一見力の抜けた演技の中からにじみ出てくる。

    不毛な取引。その果てに再生される、ある「精神」。本当に取るに足らない小さなクリエイティビティが、二人きりの空間で立ち上がる時、今まで対等ではなかった関係性の美しい着地点が見え、これからどうなるか将来の保証はないまま、ただそっとランディングする打ち上げ帰りの明け方。アスファルトはちょっとヒヤッとしているみたいで、俺はこんな光景を過去に何度も見ているのだった。

    せいいちが、最初に棚を作った時の可愛い笑顔と、最後に曲を聞かせた時の可愛い笑顔が、同じ種類の笑顔だった。

    mcatm2018-02-02 00:37

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  • 今、子供用にポンキッキのレコード流してたんだけど、この曲知らなかった!ど名曲じゃん。

    mcatm2018-02-01 12:38

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  • Peter Tscherkassky(ペーター・チャーカスキー)っていう人のことを初めて知ったんですが、オーストリアの前衛映像作家で、主にFound Footageをアナログな手法で編集する作風で知られているとのこと。オフィシャルサイトの説明を読むに、この『Dream Work』はまさにそうしたFound Footageを用いて、明滅する悪夢的なヴィジョンを提示している。

    音楽も素晴らしくて、クレジットによるとKiawasch Saheb Nassaghという人が制作しているとのことだったが、そもそも僕が知ったのはOpera Mortというユニットがこの『Dreamwork』の上映をしながらライブ演奏した作品を聴いてのこと。この辺の地下シーンがどんなつながりを持っているのか、不勉強にしてよく知らないので追っていきたいなー。

    mcatm2018-01-30 02:20

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  • デトロイト

    2018-01-29 02:26

    「白人が悪い」とか「黒人は可哀想」みたいな反レイシズムを装ったセンセーショナリズムから千歩以上の距離を取り、堕落した人間も堕落した行為も、それを可能とするコンテクストは確かに存在するのだ、と明言する姿勢。60年代にデトロイトで起こった暴動の中で起こった「アルジェ・モーテル事件」を題材にしたキャサリン・ビグロー監督作『デトロイト』ではそんな姿勢が貫かれている。

    不満を抱えた黒人達が暴徒と化すデトロイト。アルジェ・モーテルで起こったおもちゃの銃の発砲騒ぎに端を発する、殺人を伴った暴力的な尋問が物語の核。白人の無能な警官たちが暴走し続ける様を執拗に描いている。2〜3秒で細かくリズミカルにカットを割っていく編集で、セリフや音はカットをまたがって持続していたりするので、ストーリーは淡々と進行しながら画的な緊張感が持続する。手ブレの多い撮影スタイルも、その緊迫感を煽る。

    群像劇なのでスポットの当たる登場人物は多く、フィン役でおなじみのボイエガをはじめ、『God Help The Girl』のハンナ・マリーや、ファルコン=アンソニー・マッキー、白人警官役に『シングストリート』のお兄ちゃん役ジャック・レイナーなど、結構豪華なキャスト。そんな中、全く知らない俳優だったが、多くの観客を不快にさせ、その無能さを全世界にアピールしたであろう白人警官フィリップ役ウィル・ポールターの演技と顔(というか、特徴的な額)には大いに惹きつけられた。その誰もが全くハッピーにならない。(ボイエガのエピソードは、その後も含めてもう少し掘り下げて欲しかったと言うのは本音)

    果てしなく胸糞の悪い話だが、地獄という名の現実は「いやーーー気分悪かったけど、まあ、これにて一件落着…?」と油断する俺たちを更に痛めつける。そこにあるのは、差別、無理解、拒絶。その果てに現れる今日にも通ずる理不尽な光景こそが、センセーショナリズムでは描くことの出来ない「寂寞」なのだろうと思う。

    終盤、エンドロール手前では、この手のよく出来た実話もの定番の、「あ、これ…実話だった…んだよな…」というズッシリとした実感を味わえる。ザ・ドラマティックス、実在するのね…とか。結局、その「実在した」人達が、俺たちと同じように少しずつ間違え、少しずつ正しさに縛られたりした結果として、この理不尽な世界はある。

    mcatm2018-01-29 02:26

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  • わたしたちの家

    2018-01-25 01:24

    「観客それぞれの心の中に正解はある」というような作品受容の形って、随分と定着してきたと思うんだけど、実際それを観客に納得させるには技術とかセンスが必要だし、往々にしてその試みは失敗していると思う。「それぞれの正解」問題って、手法だけがフォーカスされて、「メソッドとしてあり」みたいな単一解になるのはすごく勿体無い。(ヨルゴス・ランティモス『籠の中の乙女』はそれで失敗しているような作品だったと個人的には思っているが、彼はその後『ロブスター』という傑作をものした)
    清原惟監督作『わたしたちの家』には、まだまだ脆弱な形をしているものの、その類の説得力が確かに存在していると感じた。

    2017年のPFFでグランプリを受賞した本作『わたしたちの家』は、「わたしの家」の集積である「わたしたちの家」を礎に、複数(2つ)の物語〜時間軸が同時に、完全に交わることはないまま進行していくという非常に変わった作りの映画(記憶のレイヤーを巡る話である『わたしはゴースト』とかはちょっと近いかも)。
    一軒の非常に変わった作りの古い家が主な舞台になっており、カメラが切り取るその室内風景はどれも美しく、ある種の完成されたミニマルさを持っている(アフタートークでヴィヴィアン佐藤さん曰く、重要な舞台である「茶の間」はたった2つの構図でしか登場していなかった)。その醒めた視点が唐突に動き出す時、例えば登場人物の二人が不意に思い出した歌を口ずさみながら室内を駆け回ったり、屋外の路をどこ知れず進む曲がり角などで、物語は唐突にダイナミズムを孕み、まるで動き始めているかのように感じるが、実際は時間も空間も前後不覚のままなのだ。

    ジャンル映画ではないんだけど、そのメソッドが援用されていて、そこで演出される恐怖はグレイス・ペイリーやシャーリイ・ジャクスンのような、「平易な一見何事も起こっていないかのように見える状況の、なんとも言えない恐ろしさ」に通底するところがある。実験的でありながら、「この奇妙な事象をどのように捉えるのが正解なのか」という問いかけに力点があるわけではなく、割と劇映画的でオーソドックスな物語展開に推進力を持たせているように思えるところが印象的で、故に「正解など要らない」という説得力をギリギリのところで担保しているように思える。

    Bookくじ (ハヤカワ・ミステリ文庫)早川書房

    ヨルゴス・ランティモスのように、次回作で更に飛躍するんじゃないかと思わせる新人作家の登場を感じました。我々の生きる「日常」に対するちょっとした疑義を控えめに掲出する、実に挑発的な映画。どこにも着地することのない、永遠に形を変え続けるメタファーの作家だと思っています。

    mcatm2018-01-25 01:24

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  • MGMT - When You Die

    2018-01-24 10:50

    MGMTの新曲が非常に良かったので、過去のアルバム全部聴いてみた。勝手に苦手なイメージあったんですが、なんで今まで聴いていなかったのかと。

    シンセサイケ的な派手さもありながら、ボーカルとか曲の展開は平熱で、ただそれがポップミュージックとしては異様な執拗さで円環していく中、徐々に曲のテンションが増していくような楽曲。このパターン、すごく好きだなー。今更の話で恐縮です。

    mcatm2018-01-24 10:50

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  • Faeland Game

    2018-01-23 19:42

    まるで『リンクの冒険』のような、古き良き横スクロールアクション。このテイストで、なんとオープンワールドらしいので、新鮮な感覚でプレイできそうで期待大っすね。

    まだ何のゲーム機でプレイ出来るのか不明なんですが、近日中にKickstarterでキャンペーン公開するみたいなので、ちょっと情報追っかけたいです。

    Faeland Game | TALEGAMESFaeland is a 2D Action-RPG Platformer Indie Game currently in development by Tal…

    IGNのこの記事に詳しい。

    IGN Japan「ゼルダ」を彷彿とさせるリッチなドット絵の横スクロールゲーム「Faeland」のトレーラーが公開近日中にKickstarterにて出資を募集予定…

    mcatm2018-01-23 19:42

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  • 小袋成彬 - 分離派

    2018-01-18 20:08

    サイトデザインがとにかく素晴らしい。トレンド云々ではなく、デバイスやメディア本来の特性を考えると、このデザインは適切だなーと感心。

    • 視線の転換が必要のないワンカラムデザイン。コンテンツの主体が明確な場合に有効
    • コンテンツを直接体験できるものについては、導線を提供するのみ
    • KGI(メルマガ)への導線がファーストビューに表示されている

    でもデザインのこと深く考えなくても、このシンプルな格好良さはユーザーにダイレクトに届き、ふるいにかけ、興味を引く。関心。俺も例外ではないので、「Lonely One ft. 宇多田ヒカル」今、Apple Musicで聴いていますが、How to Dress Wellのようにアブストラクトで空間を感じさせる強烈な美意識を持ったサウンドで、最高。

    かくしてプロモーションは成功。最速でユーザーを獲得、かつ聴いた俺も満足。誰も損しない幸せなビジネスがここにある。

    小袋成彬 分離派小袋成彬オフィシャルサイト「分離派」…

    mcatm2018-01-18 20:08

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  • Nintendo Labo

    2018-01-18 19:57

    ムービーの序盤。印刷されたダンボールがベルトコンベアで運ばれ、真っ白い空間に落下するタイミング。環境音がパッと打ち込みの音に変わるんすよね。

    「オンライン」とか「デジタル」に慣れた我々が、「手触り」や「質感」を求めだしているこのタイミングで、ここまでシズル感のある遊びをプレゼンしてくる任天堂、やっぱ唯一無二だし、この遊びには全力で乗りたいなって思いました。むすこと遊ぶのが楽しみ!

    任天堂ホームページNintendo Labo | Nintendo Switch | 任天堂つくる、あそぶ、わかる。2018年4月20日(金)発売、Nintendo Switch『Nintendo Labo』の公式サイトです。…

    mcatm2018-01-18 19:57

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  • NBAのスター選手が華麗にダンク決めたりする映像好きじゃん、みんなも、俺も。ノブのツッコミは、それと似てる。

    mcatm2018-01-17 00:47

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  • いつも一年越しぐらいで観て、全く周囲とテンションが合わず寂しい思いをするので、割と早めに観た観た。シーズン3がイマイチだったもので不安だったんですが、超堪能した。超堪能派、俺

    第一話『六つのサッチャー』は、当然『六つのナポレオン』をベースにしながら、いつも通り捻り入れてくるのかな…と思ってたら、まさかのまんま「サッチャー像が壊される」という展開に。ところがそこからのツイストが凄まじかった。「そんな穴のある展開…ガッカリだよ…」って思ってた穴が、後から塞がれていく展開に、「サスペンス」の真骨頂を見た。ちょっと危なっかしいが、骨太の一作。

    次の『臥せる探偵』が白眉。俺は観終わった後動揺して、しばし独り居間でふらついてしまった。個人的にはあのシーズン1の三話目と肩を並べる傑作なんじゃないかなと思った。

    序盤のシャーロックが無敵で、これぞ俺の観たい「ホームズ」そのものを感じさせる。すなわち、「その場にいる誰よりも、そして俺よりも冴えた推理を見せる超人」としての名探偵ホームズ、これこれ、これなんですよ。三週間後のことまで予測して行動するとか、これこれ、全部シャーロックの手のひらで踊っている感じ。この超人感を極限まで高めたから、「シャーロック」第一シーズンは傑作だったわけですよ。また、代名詞の細かい分析推理も、これでもかというぐらい挟み込んできて、更にそれが見事にストーリーに絡んでくる。

    普段以上に、ホームズ(兄弟)が人間的な成長と向き合う姿を強調しているところが、所謂「ホームズの美学」とちょっとズレてるから違和感を感じる向きはあるかもしれない。この辺は、第三話にて回収されていく辺りだけど、ネタバレは避けておきます。第三話は、完全に明後日の方向にアクロバティックにかっ飛んでいく作品で、リアリティもクソもあったもんじゃないけど、俺は最高に楽しかったっす。

    『シャーロック』と言えば、今までカンバーバッチ先生の素晴らしさばかり言及してきたけど、シーズン4に関しては特に、ワトソン役のマーティン・フリーマンの素晴らしさが爆発していたと思います。繊細で、でも直情型。悲劇を前に動揺し、崩壊していく様とか、それでもすべてを許そうとする優しさとか、彼の演技なしには成立しなかった場面が多々ありました。シャーロック史上、初めて泣きました。

    DVDSHERLOCK/シャーロック シーズン4 Blu-ray-BOXKADOKAWA / 角川書店

    mcatm2018-01-12 02:54

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  • 真偽判定しづらいんですが、『ハリー・ポッター』を食わせたAIが書いた『ハリー・ポッター』のパスティーシュ。『ハリー・ポッターと巨大な灰の山らしきものの肖像』ってタイトルが既にヤバい。山形浩生さんのサイトで一部訳掲載されててありがたい。

    山形浩生の「経済のトリセツ」AI ハリー・ポッターの衝撃 - 山形浩生の「経済のトリセツ」『ハリー・ポッターと巨大な灰の山らしきものの肖像』 AIにハリポタ全巻喰わせて、新作を生成させたそうな。まあご覧あれ。 Botnik Studios こいつを見…

    ハリーはヴォルデモートが真後ろに立っているのがわかりました。かれはかなりの過剰反応を感じたのです、ハリーは自分の頭から両目玉を引きむしると、それを森に投げ込みました。ヴォルデモートはハリーに向かって眉を挙げてみせましたが、ハリーはいまや何も見ることができませんでした。

    山形さんの書いている「むしろ人工知能が明らかにしているのは、ぼくたち人間の知能や創造性と称するものがいかに制約されていて、型にはまっているかということだと思う。」っていうのも興味深く重要な指摘だと思う。

    これやってるBotnik Studiosって、創作物から文章のクセを読み取って、入力した単語に合わせて次に来る単語を予測してくれる「Predictive Writer」というWEBアプリも公開していて、それも面白かったです。

    http://botnik.org/apps/

    mcatm2018-01-11 14:40

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  • 産経WEST「ボウガン」で顔につまようじ数十本、鼻にティッシュ詰め点火…焼肉店で集団リンチ容疑、経営者ら3人逮捕元従業員に対し、弓矢のような玩具「つまようじボウガン」でつまようじ数十本を顔全体に突き刺したり、鼻の中にティッシュを詰めて火をつけたりする行為を繰り返したとして…

    現実が、『ビジランテ』みたいになっていく…

    mcatm2018-01-11 11:49

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  • 皆殺しの天使

    2018-01-09 01:47

    ルイス・ブニュエルのメキシコ時代の代表作を、渋谷イメージフォーラムで。

    ルイス・ブニュエル監督『皆殺しの天使』同時公開『ビリディアナ』『砂漠のシモン』|公式サイト不可解の極みに誘う、壮麗かつ危険な映画。瀆神的で寓話的、放たれた悪意とユーモアが現実をあぶり出し、変質させる。『皆殺しの天使』同時公開『ビリディアナ』『砂漠のシ…

    パーティーに招かれた20人ぐらいの客が部屋から出られなくなる、というそれだけの話。何らかの物理的な障害があるわけでもなんでもなく、「なんかわからないけど」とにかく何日も部屋から出られない。食料もなく、水も飲めないまま、極限状態に陥っていく…。

    世にも不条理な作品。不条理が過ぎて、「一体何のために撮ったのかわからない」作品になっているけど、これって結構凄いことなんじゃないだろうか…。この文法は、どこにも引き継がれていない気がして、観ながら不安になってくるぐらいの奇妙さ。特に、同じ場面を意味もなく反復する件があって、その得体のしれ無さに震えた(アフタートークでKERAさん曰く、ブニュエル自身がインタビューで「尺を埋めるため」という身も蓋もない言い方をしていたとのこと)。

    一つ一つの描写は随分と微に入り細に入り思わせぶりな演出をしてるんだが、そのどれも投げっぱなしで、最終的に何も説明しない。伏線貼りまくって片っ端から回収しないシステムって、客側からするとストレスに感じるんじゃないかと思うんだけど、伏線の量があまりに大量なので貼ってる行為自体が面白くなる。
    特に印象的だったのは、スプーンを取りに行くよう命令された執事が、部屋の外に出る直前でどーーーーーしても他のことが気になってしまい、「なんかわからないけど」外に出れないという描写(このシーンがなかったら映画として成立しなかったかもしれないから、意に反して「必要なシーン」だったのかもしれないが)。こんなのが延々続き、当人たちは相当シリアスなのに、観てるこちらからすると相当マヌケな状態になっているという、最終的には立派なコメディと化していました。今までの時間を無にする、突き放すようなラストも最高すぎた。

    DVD皆殺しの天使 HDマスター [DVD]IVC,Ltd.(VC)(D)

    mcatm2018-01-09 01:47

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  • 「テッド・チャンに続く現代アメリカSFの新鋭」と呼ばれるケン・リュウの短編集。中国に生まれ、アメリカに育つというその出自、プログラマーとしてマイクロソフトで働き、弁護士としての顔も持つという多才ぶりも納得の、突出した守備範囲の広さが反映された多彩なテーマを詰め込んだ15編の短編が収められている。

    最初の二編(『紙の動物園』『もののあはれ』)を読んだだけで、大衆受けもしつつ、世界の掘り下げ方も決して甘くないその才能はひしひしと伝わってきたが、その印象のまま一冊読み終えた。SF作家必須の「特殊で興味深いシチュエーションを作り上げる」能力が竜巻のように荒れ狂い、シチュエーションの渦が脳味噌を刺激した。

    包装紙で折った動物たちが動き出す魔法のような時間が崩壊していく表題作『紙の動物園』や、ヒューゴ賞受賞作『もののあはれ』は言うに及ばず、結び目を言語として使用する未開民族を自社の利益のために利用しようとする『結縄』、人工知能(?)を持つ新種の人類が大多数になった世界を新人類側から描いた『どこかまったく別の場所でトナカイの大群が』、宇宙開拓の旅に出た人々が未来の探検者たちに迎えられるという倒錯を描き、進化を通して話が創世まで飛躍する神話的な『波』、妖狐とそれを狩る少年の運命を描きながら、古い魔法が新しい魔法によって駆逐される世の理を書く傑作『良い狩りを』など。文体も読みやすく、如何にもSF的な設定の突飛さと、それを血肉化するための修辞や細部の描写のバランスも心地よかった。極端な難解さもないので、万人にオススメできるSF小説の傑作。

    eBooks紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)早川書房

    mcatm2018-01-08 02:43

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  • 前作『キングスマン』、大傑作でしたねー。多くの人が震えたであろう、コリン・ファース大暴れの「教会シーン」、ラストの「美しい核爆発」、本当に大好きで、続編も封切り日に観に行きました。退屈はしなかった。退屈は。

    身も蓋も無いことを勝手に全人類代表して言ってしまうんだけど、俺たち、コリン・ファースが好きなのであって、タロン・エガートンについては未だ評価保留中ですよ。いささか分が悪いのは承知の上なんだけど、やっぱコリン・ファースの圧倒的な色気、仕立ての良いスリムなスーツの似合いっぷり、エガートン、まだまだ全然足りてない。単純なルックという意味での寂しさは否めなかったっすね。

    あと、前回出てきて、醜悪な「ご褒美」をドロップの末、作品の品位に著しい傷をつけた、あの例の「姫」。今回はストーリーの核で、彼女への愛情が主人公の行動動機として機能するんだけど、正直全然感情移入出来ない…。『スパイダーマン』のMJ=キルスティン・ダンスト的なルックスの違和感を置いておいたとしても、やることなすこといちいち癪に障るというか…。前半はまだ可愛げがあって良いものの、後半、例の罠に自業自得でハマり、挙句あの面で文字通り「固まる」という地獄の展開には悪い意味でちょっと悶絶した。

    良いところもあった。ジュリアン・ムーアの醜悪なヴィランっぷり!エルトン・ジョンの出てるシーンもすべて良かった(ただし、アクションシーンで主人公二人を食っちゃってたのは本当にありえないと思う)。序盤のカーチェイスで見せる、長いドリフトも最高でした。全体的に、前作以上に「マンガ」的な世界観を強調していたのも、カネを払うに値する強烈なバカバカしさがあった。

    しかしながら、俺たちのチャニング・テイタムが本当にチョイ役で終わってしまったり、片目になり復活を遂げた直後、照準も合わせられないほど肉体が衰えていたコリン・ファースが、終盤どうして復調したのかの説明も一切なし。全体的に脚本の粗が、アクションの気持ちよさを邪魔してたなー。

    でじゃあ、アクションはどうだったかというと、結果的に前回の「教会」越えを果たすことなく、不完全燃焼に終わってしまいました。残念。これ、全然良いところねえな…。でも、第三弾も観に行っちゃうんですよ、俺、馬鹿だから

    DVDキングスマン [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

    mcatm2018-01-07 02:41

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